「こんにちわッ、テディちゃでス!
わおッ! まじょさんッ!」
「がるる!ぐるるぅるる!」(←訳:黒猫ちゃんも!)
こんにちは、ネーさです。
ハロウィーンを明日に控えて、
街には仮装をしているチビッ子ちゃんがちらほらと♪
みんな可愛いわぁ~と見惚れながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらのエッセイ作品を、どうぞ~!
―― 探偵小説五十年 探偵小説昔話 ――
著者は横溝正史(よこみぞ・せいし)さん、
編者は日下三蔵(くさか・さんぞう)さん、
2022年6月に発行されました。
『横溝正吏エッセイコレクション①』
と副題が付されています。
「えッせいィ??」
「ぐるるるる!」(←訳:横溝さんの!)
私ネーさ、恥ずかしながら知りませんでした……
名探偵・金田一耕助さんの“生みの親“である
横溝正史さんが、
こんなにたくさんのエッセイを書いておられたとは!
この御本について説明しますと、
柏書房さんから刊行された
『横溝正史ミステリ短篇コレクション』(全6巻)、
『由利(ゆり)・三津木(みつぎ)探偵小説集成』(全4巻)、
『横溝正史少年小説コレクション』(全7巻)
に続く横溝正史シリーズの完結篇が、
『横溝正史エッセイコレクション』(全3巻)
なのだそうです。
そして、
可能な限り初刊の形に戻して再編集したという
『エッセイコレクション』の①には、
戦時中の禍々しい闇を潜り抜け、
本格探偵小説作家として
一躍その名を高めてゆく横溝さんの仕事ぶりが
ずっしりみっしり描写されていますよ。
とりわけ、手に汗握ってしまったのは――
「くうしゅうゥけいほうゥ~!」
「がるるぐるる!」(←訳:夜空に機影が!)
第二次世界大戦(太平洋戦争)末期、
横溝正史さんの住居は
東京都下・吉祥寺にありました。
そのお家で横溝さんは、
空襲警報下の最中でも
友人から借りた英米の探偵小説を
読みふけったりしていたのですが。
3月10日の東京大空襲の報を耳にした親戚から、
疎開してはどうか、と促されます。
迷いを覚えつつも、
3月下旬、横溝さんは疎開の決意を固めました。
行き先は……
岡山県の農村。
そう、岡山県は、
横溝さんのお父さまの出身地……ではあるものの、
訪れたこともない”未知の地“で。
さっそく本屋さんで
岡山県の地図を買ってきた横溝さんが
調べ始めたのは。
「……うみッ?」
「ぐるー!」(←訳:海だー!)
海と、島。
疎開先云々よりも、
横溝さんの心をとらえたのは、
瀬戸内海の島々だったのです。。
もう戦争も長くはあるまい。
戦争が終わったら
瀬戸内海を舞台にして、
本格探偵小説なるものを書いてみよう――
「うむうむッ!」
「がるるぐるるー!」(←訳:書いて書いてー!)
ところが、
よぉし! 意気揚々と島巡りに出発!
……とは、行かなかったんです。
実は、そのぅ、横溝さん、
乗り物恐怖症の傾向があって。
船は………ムリ。
「せせせッ、せんせいィ~ッ!」
「ぐるがるるー!」(←訳:そこですかー!)
いえいえ、心配は要りません。
横溝さん、ツイていました。
瀬戸内海の島で学校の先生をしていた人物が、
疎開先の土地に居たのです。
「やッほゥ!」
「がるっる!」(←訳:良かった!)
かくして、
ひとつの物語が編み上げられてゆきました。
南洋から帰国した
名探偵・金田一耕助さんが出会う謎――
『獄門島』の悲劇が。
「おかやまにィ、かんしゃッなのでス!」
「ぐるがるぐるっるる!」(←訳:疎開してなかったら!)
作品執筆の経緯や背景、
江戸川乱歩さん、小栗虫太郎さん、
海野十三さん他、
錚々たる作家さんたちとの交流など、
戦前~戦後の記録。
怒濤の日々の思い出。
探偵・金田一耕助さんを愛する方々に、
激おすすめのエッセイ集です。
特に、20世紀ミステリ好きな活字マニアさんは
必読の一冊ですよ。
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪