喫茶 輪

コーヒーカップの耳

『道なりに』黒住考子詩集

2011-02-21 17:52:23 | 

寒かったせいでしょうか、今年はお地蔵さんの境内のスイセンの花が遅かったです。

やっと今朝、咲いていました。

Cimg3935 スイセンは気品があっていいですねえ。

今日の神戸新聞「読者文芸」詩の欄。

拝借お許しを。

Img754 山田恵子さんの特選の詩です。

いいですねえ!

「独りに慣れているのに 淋しさを思い出させに 帰っているようで」

繊細な心の動き。誰でも同じ思いをすることがあるのでは?

しかし、この思いを、このように表現できるのは、簡単なようで、誰にでもできるものではあり

ません。ひとに書かれてしまってから、「あっ、わたしも同じ思いを…」となるものです。

そして、次の連。

「ベランダで見送る母に 明日また来るみたいに 素っ気なく手を振った」

ここ、心にくいです。状況がパッとわかる。そして、やはり繊細な心の動き。心遣い。

大げさでなく、何気なく表現していて、巧まざるユーモアさえ漂わせて。しかし、人間の哀しみ

のようなものも漂わせて。

この人、山田恵子さんは、このような意識をして作られたかどうかはわかりませんが、見事な

詩に仕上がってます。

いい感性を持っておられると思いました。

スミマセン、エラそうに言って。

詩集、贈っていただきました。

Img753 黒住考子詩集『道なりに』

この人にとって、書いておかなければならない詩集なのでしょうね。

幼少のころからの思い出が、事こまかく書かれている。

この人にとって忘れてならないことなのでしょう。

懐かしい風景とともに、家族や友達のことが、縷々綴られている。

一人の歴史。一家の歴史。一つの町の歴史。

それぞれは小さいことだが、この人にとっては、全宇宙的なことなのでしょう。

過去に遡りながら、今の自分探しの旅でもあるような。

中の一篇を。表題詩「道なりに」です。

Img755画面をクリックしてください。

Img756

明日22日(火)の「輪」のおすすめ定食は、

「うどん・おにぎり」セットの予定です。

よろしくお願いいたします。

コメント (4)
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