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昨日の続き。
「星の抄」からです。
門外漢のわたしの勝手な選出。
濃い霧の森へと続く古本屋 石川街子
耳遠き母と話せば手話もどき 近藤ゆかり
アルバムのころ時が永遠だったころ 黒川利一
爪切りの音が過剰に響く夜 小原由佳
おっさんかあの鶯の冬の声 中川浩
よそ様の児触れるのに許可いるらしい 道家えい子
暗闇で見ると案外美人です こはらとしこ
パッと空から星新一が降ってくる 中野文擴
他人には楽にやさしくなれるのに 小西松甫
引き出しの奥に色落ちした希望 林かずき
無視無口猫はことばを知りながら のやまきのこ
𠮟り過ぎ夜叉から母へ枕元 松本昭子
梅の枝ミカン突き刺しメジロ待つ 牧田茂子
落ち葉掃く見事な赤を拾い上げ 牧田茂子
貧乏結構 妻の笑顔に感謝状 川本勝三
蔓の先枯れても空を仰ぎみる 岡本悠
捨て猫はどこにも行けずここで待つ 近藤宏枝
もっともっといいのがあるのでしょうが…。