第 5436回の「トヨタは中国と心中か」で利益に目が眩んで中国にのめり込んだら大変なことになるのじゃない かと書きました。
早くも、その兆候が出てきたようです。何と、独禁法で日本の部品メーカーから制裁金を取るのだそうです。日本のメー カーですから、ある程度の談合はあ るのかもしれませんが、今、中国がこうするには何らかの裏があるのでしょうが、私には直には理解できないものがありま す。何でしょう。
MSN産経ニュースより 2014.8.20
中 国独禁法で日本企業12社に制裁金 過去最高205億円 自動車部品で「価格カルテル」認定
【上海=河崎真澄】中国国家発展改革委員会(発改委)は20日、日本の自動車部品メーカー12社に対して独占禁止法違反を認定し、うち10社に総額12 億3540万元(約205億円)に及ぶ制裁金を科すことを決めた。2000年から10年以上にわたり価格カルテルを 結ぶなどして完成車価格を押し上げ、中 国の消費者の利益を損なったと判断した。中国中央テレビは、中国で独禁法が08年に施行されて以来、制裁規模として は過去最大の事案になるとしている。
違反行為を認定されたのはデンソー、三菱電機、住友電気工業、矢崎総業、日本精工、 日立オートモティブシス テムズ、不二越、古河電気工業、愛三工業、ジェイテクト、NTN、ミツバの12社。調査への協力度合いなどを勘案 し、制裁金の料率は昨年の中国市場におけ る売上高に対し4~8%まで区分された。日立オートと不二越の2社は調査に協力したとして制裁金を免除された。
12社はワイヤーハーネスなどの電装部品、ベアリングなどの機械部品の販売で密接に 連携し、長年にわたって価格カルテルを結んでいたと発改委は認定した。
中国では日米欧など外国ブランド車の価格やアフターサービスの補修部品の価格が、国 産車に比べて高いと批判 されており、国内メーカーなどの告発を受けて発改委が調査していた。日系に加え、同時に欧米系メーカーもヤリ玉に挙 がっている。中国政府には消費者保護の 姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。
最初は、この奥にある意味が私には理解できなかったのですが、宮崎さんがズバリと書いてくれていました。
「宮崎正弘の国際 ニュース・早読み」より 平成26年(2014)8月21日(木曜日) 通巻第4319号
欲し い技術は「すべて盗んだ」。日本車メーカーはもう要らない
中国、日本企業10社を独禁法適用し巨額の罰金
思わず吹き出した。
中国当局者(中国国家発展改革委員会)が「中国は法治国家である」と記者会見で言い 放ったときである。
すでに三年前の反日暴動でパナソニック、イトーヨーカ堂襲撃にまざってトヨタの販 売店も襲われ放火された。 家電は海爾(ハイエール)などが躍進し、いかに恩人とはいえ松下電気産業は用済み、これは「出て行けという信号だろ う」と筆者は書いた(拙著『中国の反日 で日本は良くなる』(徳間文庫)。
パナソニックは自慢だった北京の大ショールームをついに畳んだ。
伊勢丹は瀋陽店を閉店し、ヤマダ電機は中国から完全に撤退した(中国メディアは山 田撤退を「敗退」と書いて喝采を挙げたものだった)。国内の家電量販店「蘇寧電器」や「国美電器」が育ったからであ る。
トヨタも日産もホンダも中国に大工場をつくって、中国の産業近代化に貢献したが、 その恩は仇で返してきた。もう一つの理由はドイツVWが大々的に進出するからだ。
「日本車メーカーよ、もう用済みだから出て行け」と言外に言っているのが、今回の 自動車部品メーカー十社への独禁法適用である。
しかし、法の精神にもとづいて独禁法をいうのなら利権を独占し、国内産業の育成の ために裏から国有銀行を通 じて「華為技術」などに融資し、WTO違反にもかかわらず、国際競争力を高めるためには輸出補助金を付ける(太陽パ ネル、風力発電など)、中国の商行為そ のものがすべて独禁法違反である。いやいや利権と権力を渾然一体化している共産党幹部それ自身が独禁法違反である。
笑止千万とは、この事件を言う。
成程、宮崎さんの言う通りでしょうね。ここまでやられて、日本のメーカーはそれでも中国にしがみつくのでしょうか。 撤退が遅れれば遅れるほど被害が大きくなることが分からないはずはないのでしょうが、それでも、中国の市場が諦めきれな いのでしょうか。
こうした機会に、日本企業が一斉に引き上げることで、中国の崩壊を導いて日本へのあらゆる工作が出来なくさせるくら いの根性は日本の経営者には無いのでしょうか。先人が見たら、嘆くでしょうね。
それにしても、ドイツももう少し利口なのかと思ってましたが、日本と同じで、目先の利益に惑わされるのですね。日本 の代わりに、中国と一緒に地獄を見てもらいましょう。尤も、日本もこのまましがみついて一緒に地獄を見そうなのが情けな いですね。