◇8月のメモワール(1995年 アメリカ 126分)
原題/The War
監督/ジョン・アヴネット 音楽/トーマス・ニューマン
出演/ケヴィン・コスナー イライジャ・ウッド レキシー・ランドール メア・ウィニンガム
◇1970年夏
スタンドバイミー親子版。
ただ、なんとなく不思議な感じだった。
ベトナム帰還兵の父親がPTSDに悩まされているのはわかる。病院で治療を受けていることがばれて小学校の職を失くされるのもまあわかる。貧乏でトレーラーハウスに住んでるけど、姉は賢く、双子の弟は正義感は強いんだけどひ弱でやっぱり半人前ってのもいいし、そんな家族をなんとか支えようとしている母親の覚悟もわかれば、当然のように登場してくる悪ガキ連中とその父親のいけすかなさもいいだろう。
けど、良い役者と良い素材と良い舞台を手に入れながら、なんだか感動的にならないどころか、不安の方が大きくのしかかる展開にしているのは、なぜなんだろう?
父親と子どもの未来を見据えて涙させるはずの映画なのに、ふしぎなことに、すべてのものが絡まっているようで絡まらせずにいるのは、いったい、どんな狙いがあったんだろう?
たぶん、ぼくとおなじような疑問をおぼえる鑑賞者もいるんだろうけど、なんとも惜しい気がして仕方ないんだよね~。