☆砂の器(1974年 日本 147分)
監督/野村芳太郎 音楽/芥川也寸志 作曲/菅野光亮
出演/丹波哲郎 森田健作 加藤剛 加藤嘉 島田陽子 佐分利信 山口果林 緒形拳
☆哀悼丹波哲郎
2006年9月24日、丹波哲郎さんは大霊界に旅立たれた。
丹波さんのお別れ会に、東撮大泉には多勢の関係者が集ったという報道だった。もちろん、ぼくが大泉へ行くわけには行かないので、ひとり、丹波さんの冥福を祈りながら、自宅で観た。スクリーンで観たいし、できれば、オーケストラをボックスに入れて生演奏を聞きながら観たいけど、なかなかそういう催事をしてくれるところってないんだよね。
いつかどこかの映画祭で『砂の器』制作50周年とかってやってくれないかしら?
ちなみに、ぼくがこの映画を初めて観たのは、17歳のときだった。高校の文化祭が目前に迫っている頃で、生徒会の執行部に所属していたぼくは毎晩のように帰りが遅く、でも、この映画だけは観たいとおもって、仲間よりひと足先に学校を出、最終上映に飛び込んだんだけど、お客はぼくを含めて数人しかいなかった。
田舎の劇場なんてものはたいがいそうで、この名作も例外じゃなかった。信じられないことに、映画が終わったときには、ぼくひとりしか残っていなかった。なかば貸切のような状態で観たんだけど、それがかえってよかったのかもしれない。
ただ、この映画は全国的には大当たりして、その後、3回か4回、テレビ化された。いちばん印象に残ってるのは、丹波さんの刑事役を仲代達矢さんが演られた作品で、加藤剛さんの和賀英良役は田村正和さんが演られ、曲の題名は『炎』とされてた。原作では電子音楽だったとおもうんだけど、やっぱりこの作品のように『宿命』がいちばんしっくりくる。内容については、いまさら触れるのはやめとこう。
今回は、丹波さんの冥福を祈るばかりだから。
(2006年10月、記す)