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ノイズ

2007年02月20日 13時49分21秒 | 洋画1999年

 ◇ノイズ(1999年 アメリカ 109分)

 原題/Astraunotes' Wife

 監督・脚本/ランド・ラヴィッチ 音楽/ジョージ・S・クリントン

 出演/シャーリーズ・セロン ジョニー・デップ ニック・カサヴェテス ジョー・モートン

 

 ◇カサベテス父子の執念?

 SFのひとつの定番といったらそれまでなんだけど、異星人に寄生された宇宙飛行士が帰還してくる、あるいは、宇宙飛行士に化けた異星人が帰還してくる、といったあらすじは決して真新しいものでもないし、どうやら、もとになっている映画は『原始人間』らしい。

 けど、これは単なる異星人がなんらかの形で地球にやってくるのが目的ではなくて、地球の女を妊娠させて地球人と異星人の混血を生み出すのが目的なわけだから、どんな映画に似ているのか、あるいはモチーフにしたのかということでいえば『ローズマリーの赤ちゃん』しかない。

 けど、ポランスキーが知らなかったらびっくりするだろうし、そういう事態も想定した上で、もとになっているのが『原始人間』だっていってるのかもしれないね。とはいえ、実際、この映画で最初に死ぬ宇宙飛行士ニック・カサヴェテスは『ローズマリーの赤ちゃん』でミア・ファローの夫を演じたジョン・カサヴェテスで、そういうところからすれば、父と子による執念の映像化みたいな感じもしないことはない。

 ジョンは、ミアを妊娠させて悪魔の子だとおもわれる赤ちゃんを産ませるけど、ニックは、セロンに双子の子を孕ませて、立派に育ってゆくラストに向かう。ていうより、セロンの髪型、まさしくミア・ファローですから。宇宙との交信にラジオのノイズを利用してるってのが、まあ、元ネタの時代を髣髴させるだけで、これは明らかにポランスキーへのオマージュでしょう。

 ただ、そんな重箱の隅をつついてなくても、シャーリーズ・セロンは文句なしに美しいし、その美しい顔が恐怖に歪むのを観てるだけでも幸せだわとおもうしかないよね。

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