◇ミミック(1997年 アメリカ 106分)
原題/Mimic
監督/ギレルモ・デル・トロ 音楽/マルコ・ベルトラミ
出演/ミラ・ソルヴィーノ ジェレミー・ノーザム ジャンカルロ・ジャンニーニ
◇ドナルド・A・ウォルハイム『擬態』
ミミックの意味は、擬態。
で、擬態ってのはなにかっていうと、爬虫類や昆虫とかが内緒で獲物に近寄ったり、怖い相手から身を守ったりしたいときに体の色や形とかをまわりの木や草や模様に似せるでしょ?あれです。コノハチョウが枯れ葉にそっくりになるのが、それ。で、この映画なんだけど、あんまり擬態は関係なくない?
カイル・クーパーのタイトルデザインがあまりにも秀逸だったもんで、
「こりゃ、すげー映画が始まったかもしれん」
てことをおもったんだけど、意外と手頃なB級ホラーに徹してた。
とはいえ、演出がギレルモ・デル・トロなんで、廃墟、地下、異形とくれば、もう、十八番の世界だから、当然、気持ち悪いし、薄気味悪いし、でも、ちょっとそそられる。
だから、エイリアン地下鉄版とはいいきれないので、子どもを抱いたミラ・ソルヴィーノが銃を構えて「カマ~ン!」とは叫ばない。
あ、遺伝子を変異させて出来上がった「ユダの血統」の羽音は不気味だし、ユダたちが前足によって人間の顔に擬態という設定は良いね。ていうか、ほとんどこれだけがタイトルに関係してるんだけど、もしかしたら、原作はもっとこの擬態が中心になってるのかもしれないね。ふつうに人間だとおもってたら、うげ?!てなことになったりして。
まあ、活字が苦手なぼくの勝手な想像なんだけど。
それと「やつらの遺伝子は人間の体内に巣食わないの?」ていう疑問がちょっとだけ浮かんだけど、ま、余計な話だよね。