◇ディアボロス 悪魔の扉(1997年 アメリカ 144分)
原題/The Devil's Advocate
監督/テイラー・ハックフォード 音楽/ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演/キアヌ・リーヴス アル・パチーノ シャーリーズ・セロン コニー・ニールセン
◇アンドリュー・ネイダーマン『悪魔の弁護人』
セロンの出世作?
前半、おどろおどろしさが弱く、悪魔物という印象が薄くなってるのはちょっと心配なところだ。とはいえ、その分、シャーリーズ・セロンがものすごく好い。主演のふたりを完全に食ってるのが、なんとも嬉しい。
けど、悪魔にして実の父のアル・パチーノが巨大な弁護士事務所を経営してて、そこに誘われたキアヌ・リーヴスが悪魔に魂を売らずに奮闘するって構図は、トム・クルーズの『ザファーム 法律事務所』とおんなじじゃない?てなことを、おもってしまった。
てか、これって、巨大な父親が「おれの後を継げ」っていってるのを、多感な青春期にある息子が正義感をふりかざして抵抗してるんだけど、結局は、酸いも甘いも噛み分けた父親の掌で遊ばれてるって話じゃない?
それがたまさか悪魔の一族だったもんだから、すこしばかり世の中の家族とは違っておどろおどろしいってだけだよね?
要するに、映画の構図ってのは、余分な修飾をとりはらってしまえば、あんまり変わらないってことなんだけど、でも、その悪魔的で官能的な部分があるから、この作品になれるわけだもんね。
ま、そんなしちめんどくさい話はさておき、主役の設定がまじめすぎるのは、もしかしたら作品のパワーを下げちゃうのかもしれないね。けど、そうじゃないと悪魔には対抗できないし、でも、悪魔の方が魅力的だしで、ほんと、難しいところだね。