◎ジャンゴ 繋がれざる者(2012年 アメリカ 165分)
原題 DJANGO UNCHAINED
staff 監督・脚本/クエンティン・タランティーノ
撮影/ロバート・リチャードソン 美術/J・マイケル・リヴァ
主題歌/ロッキー・ロバーツ&ルイス・バカロフ『続・荒野の用心棒』より
衣装デザイン/シャレン・デイヴィス
cast ジェイミー・フォックス クリストフ・ヴァルツ レオナルド・ディカプリオ
◎タランティーノ、爆殺!
子どもの頃、テレビでときどき西部劇を放送してた。
マカロニ・ウエスタンってやつは、
普通の西部劇とちがって、どういうわけか女の人が出てきて、
ちょっとばかしエッチだったりした。
ずっとあとになってマカロニ・ウエスタンがイタリアの西部劇だと知って、
なるほど、それでやけにエロティックだったわけねと納得したんだけど、
その中の1本に『続・荒野の用心棒』がある。
クリント・イーストウッドの『荒野の用心棒』とはなんの関係もないのに、
「続」だ。
邦画タイトルのいい加減さにはあんぐりくるけど、
この原題が『DJANGO』だ。
フランコ・ネロが棺桶をひきずりながら登場して、
その中にはガトリング銃が仕舞われてて、いよいよってときにぶっ放される。
いやまあ、凄かった。
永井豪も相当な衝撃だったんだろう、
すぐに『ハレンチ学園』でマカロニ先生が登場し、やっぱり棺桶をひきずってたけど、
PTAとの大戦争になったときだったか、
ガトリングを出そうとしたら骸骨だったんで、蜂の巣にされたんじゃなかったっけ?
まあそれくらいフランコ・ネロの棺桶ガトリングは傑作だったんだけど、
こんな棺桶ひきずったら隣町までも行けないじゃん、とかいう突っ込みは無しだ。
そんなことより、主題歌がカッコよかった。
ぼくらはベルト・フィアがイタリア語で歌ってる方はずっと後に聴いたから、
耳に残ってるのは、ロッキー・ロバーツ&ルイス・バカロフの英語版だ。
カッコよすぎた。
タランティーノもそんな子ども時代を送ったんだろうか?
のっけから、♪ジャンゴだ。
来たな~とおもい、
「やっぱり最後の締めくくりはガトリングだろう」
と期待してたら、残念なことに、そうじゃなかった。
ま、それでも拳銃は撃ちまくるわ、血しぶきは飛び散りまくるわ、
なにより、酒場のカウンターで、
ジェイミー・フォックスにフランコ・ネロが名前を訊くと、やっぱり答えはこうだ。
「DJANGOだ。けど、Dは発音しねえ」
やってくれるじゃないか、タランティーノ。
ちなみに本人の登場は、ラスト近く。
おもいきり爆裂してくれる。