◎インクハート/魔法の声(2008年 アメリカ、イギリス、ドイツ 106分)
原題 Inkheart
staff 原作/コルネーリア・フンケ『Tintenherz』
監督/イアン・ソフトリー 脚本/デビッド・リンゼイ=アベアー
製作/イアン・ソフトリー ダイアナ・ポコルニー コルネーリア・フンケ
撮影/ロジャー・プラット 美術/ジョン・ビアード 音楽/ハビエル・ナバレテ
cast ブレンダン・フレイザー ヘレン・ミレン イライザ・ベネット ポール・ベタニー
◎ジェニファー・コネリー、カメオ出演
幼い頃から、童話が苦手だった。
本を読むということがどうしてもできなくて、おかげで未だに活字は苦手なままだ。
ただ、後悔はしてる。
どうしてもっと本を読んでおかなかったんだろうって。
『オズの魔法使い』『ハックルベリー・フィンの冒険』『ヘンゼルとグレーテル』
『シンデレラ』『ラプンツェル』『アリババと40人の盗賊』『ピーターパン』……。
読んどきゃよかった。
読んどけば、この映画でところどころに本の中から飛び出してくるキャラクターに、
もっとおもいいれができただろうし、そうした遊び心を嬉しく感じ、愉しめただろう。
でも、ぼくにはできないんだよな~。
で、どうして童話の中から現実に登場してくるのかといえば、
主人公ブレンダン・フレイザーが魔法の舌を持ってるからだ。
ところが、この舌のせいで、
9年前に悪魔のような悪党カプリコーンを現出させてしまい、
それとひきかえに奥さんを本の世界に閉じ込めてしまった。
その世界の名前っていうか、本の題名が「インクハート」ってわけだ。
で、この悪党が世界征服を企み、ブレンダン・フレイザーの舌を利用して、
もともといた世界から手下をはじめ、さまざま事物を引き出そうとするって話だ。
ま、おもしろかった。
派手派手しい場面はないけれども、子ども向きに作られた良質さはよく出てた。
ことに、大叔母役のヘレン・ミレンはいいね。
髪をふりみだしてのばーちゃん活劇にちゃんとなってる。
そうした活劇が繰り広げられるカプリコーンの城について、
もちろん、城郭そのものはミニチュアなんだけど、
城内および城下の町は、実際にある。
イタリアのバレストリーノという地中海からやや内陸に入った村で、
ニースとジェノバのほぼ真ん中あたりにある。
あるんだけど、廃墟だ。
地震による倒壊の危険があるとかで、住民が去り、過疎集落になったんだと。
だから、今もなお、中世そのままの村がぽっかり残されてる。
行きたいわ~!
ところで、
「インクハート」っていう本の題名だけど、映画では「闇の心」って意訳されてる。
なんで、闇の心なんだろ?
インクで書かれた心、つまり、活字の世界の心って直訳になるよね?
インクって、闇っていう意味も持ってるのかな?
外国語がまるでわからないぼくは、首を傾げたままでいる。
あほなんだね、たぶん。