☆オブリビオン(2013年 アメリカ、ロシア 124分)
原題 Oblivion
staff 原作/ジョセフ・コシンスキー アーヴィッド・ネルソン『Oblivion』
監督/ジョセフ・コシンスキー
脚本/ジョセフ・コシンスキー ウィリアム・モナハン
カール・ガイジュセク マイケル・アーン
製作/ジョセフ・コシンスキー ピーター・チャーニン
ディラン・クラーク ダンカン・ヘンダーソン
撮影/クラウディオ・ミランダ 美術/ダーレン・ギルフォード
音楽/M83 衣装デザイン/マーリーン・スチュワート
cast トム・クルーズ オルガ・キュリレンコ モーガン・フリーマン アンドレア・ライズブロー
☆ジャック・ハーパーは49号
なにより良かったとおもったことは、
予告編を観たのが、本編を観た後だったことだ。
どういうわけか、ぼくは『オブリビオン』の予告編を覚えていなかった。
劇場には毎週のように通っているからどこかで観てるはずなんだけど、
なんでか知らないけど、その記憶が失われてた。
けど、そのおかげで、
モーガン・フリーマンの登場前後と、
アンドレア・ライズブローについての展開がきわめて興奮できた。
この予告編は、それを観れば物語のすべてが瞬間的に予想できちゃう。
これは、いかんよ。
さて、記憶が失われるという話だけど
原題のOblivionの意味は、忘却。
あるいは、忘れること、忘れられること、忘れられていること。
なるほど、予告編と一緒で、タイトルもまた的確に物語を象徴してる。
記憶が失われていることに疑問を持っても、
任務に支障が及ぶかもしれないから、任務終了まで消されているという、
いかにももっともらしい回答が用意されているため、それ以上深くは考えない。
トム・クルーズも、ぼくら観客の多くもだ。
でもまあ、そんなことはどうでもいい。
ともかく、文句なく、おもしろかった。
おおむね、トム・クルーズの視線のみで進行してゆくため、より物語に入り込める。
謎が謎として提示され、謎の解明もトム・クルーズの思考と共にだ。
トムと観客の思考とが僅かなずれもないように脚本を組んでいるのは、いや、見事だ。
話としては、簡単にいってしまえば、
記憶を失くしている男の存在証明、つまり、アイデンティティーの肯定で、
自分探しの旅の舞台となっているのが、異星人に滅ぼされた地球ってわけだ。
物語もそうだけど、美術がまたいい。
トムの住居スカイタワー、丸っこい戦闘型監視球ドローン、監視用飛行機バブルシップ。
どれも見事なものだし、アンドレア・ライズブローの衣装がさらにいい。
素朴ながら、身体の線をしっかりと伝え、そこはかとないエロスを湛えているあたり、
ふたりの司令官とされるサリーの思惑がほどよく感じられる。
それにしても、アンドレア・ライズブローの美しさといったら、ない。
まじに、好きだわ。