◇ドレスデン、運命の日(2006年 ドイツ 106分)
原題 Dresden
staff 監督/ローランド・ズゾ・リヒター 脚本/シュテファン・コルディッツ
撮影/ホリー・フィンク アートディレクター/ニルス・アイヒベルグ
美術/トーマス・シュタンマー 衣裳デザイン/ルシア・ファウスト
特殊効果/カール・ハインツ・ボフニッヒ デーニス・ベーンケ
cast フェリシタス・ヴォル ジョン・ライト ベンヤミン・サドラー マリー・ボイマー
◇1945年2月13日22時14分、ドレスデン大空襲
ふとおもったのは、
連合国は、ドレスデンに対して、慰霊碑を立てるような行動をしてるんだろうかってこと。
そしたら、あった。
2005年10月30日に再生されたフラウエン教会(聖母教会)が、それだ。
この教会は丸2日にわたってドレスデンが爆撃され続けた際、
炎上崩壊し、東ドイツに組み込まれてしまったため、
空襲の記念として瓦礫だけはなんとか撤去されずにいたものの、
共産主義社会においては教会なんてものは無意味だとされて、
1990年の東西ドイツ統一まで、瓦礫の山だった。
それが、11年かかって再建されたんだけど、
そのとき、イギリスから塔の上の十字架が「和解の印」として贈られた。
もともとあった十字架は、戦禍を被ったままの状態で、教会内に展示されてる。
こうしたあたり、ヨーロッパ社会はそれなりにまとまってるなと感じるけど、
アジアはどうなんだろね?
ま、それはそれとして、
絨毯爆撃ほど非人道的なことはなく、
ドレスデンと同じような悲劇に見舞われた都市はそこらじゅうにある。
世界で、いったい何万人の民間人が、死んだんだろう?
ま、そんなことをおもいつつ、映画だ。
アメリカ軍のパイロットが撃墜されても生きてて、
たまさか忍び込んだ病院の看護婦に介抱され、
看護婦には婚約者がいるにもかかわらず恋に落ちるって設定はよくあるけど、
この映画の場合、
この看護婦の父親が病院の経営者でモルヒネの横流しで多額の金を横領してて、
この金と家族を抱えてスイスに亡命しようとしてるってのが味噌だ。
まあ、それらのことが全部暴露されつつ、ふたりで逃避行に入ったその日が、
2月13日っていう設定は、まあ、それよりほかに考えられないけどね。
ただ、よく撮ってるわ~。
ドイツではテレビ映画として放映されて、劇場公開はされなかったみたいだけどね。