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☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

ア・フュー・グッドメン

2016年03月16日 20時10分05秒 | 洋画1992年

 ◎ア・フュー・グッドメン(1992年 アメリカ 137分)

 原題 A Few Good Men

 監督 ロブ・ライナー

 

 ◎You can't handle the truth!

 おまえに真実はわからん!とかいわれても追及しなくちゃ仕方がないんだよ~っていう映画なんだけど、結局のところ、国家の体裁がうんぬんというよりもアメリカ市民は常に弱者のために戦う者を支持するのだということを再確認するというのが主題になってるわけで、ということはつまり真実はいろんな人間たちの思惑によってうやむやにされちゃってるんだってことだよね。

 それはともかく、この作品のトム・クルーズもデミ・ムーアもとっても綺麗な顔をしてる。ジャック・ニコルコンが凄味がある分、かれらの綺麗さが際立つんだけど、でも、顔がそのまま性格まで表しすぎな感じがしちゃうんだよな~。

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アポロ13

2016年03月15日 21時15分55秒 | 洋画1995年

 ◎アポロ13(1995年 アメリカ 140分)

 原題 Apollo 13

 監督 ロン・ハワード

 

 ◎1970年4月11日、アポロ13号発射

 ぼくたちのいちばん懐かしいアポロはもちろん11号だ。当時、小学生だったぼくはアポロの月面着陸はものすごく昂揚したもののひとつだったけど、残念なことにこの栄光ある失敗といわれたアポロ13号の記憶はない。ていうか、ぼくの知識と情報と雑学はほんとうにひどいもので、この映画がなければアポロ13号の事故については知らないままだったろう。それほど乏しいアポロの知識でも観ることができたのは、ロン・ハワードの上手さなんだろね。

 実際、この映画のセットは凄かったらしい。無重力の撮影をするためにNASAが無重力訓練用に改造したKC-135A空中給油機を600回もフライトさせて1回につき25秒間の撮影をしていったっていうんだから半端じゃない。邦画じゃ絶対にできないことをしているわけで、それだけの費用とやる気を見せてくれる映画はなかなかない。

 凄い。

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ラスト・アクション・ヒーロー

2016年03月14日 20時30分56秒 | 洋画1993年

 ◇ラスト・アクション・ヒーロー(1993年 アメリカ 131分)

 原題 Last Action Hero

 監督 ジョン・マクティアナン

 

 ◇サリエリ登場

 まあ『アマディウス』を観てないとなんのことかわからないからあれだけど、そもそも楽屋落ちってのはそういうものでここで説明したら野暮になる。とはいえ『ターミネーター』のパロディに始まり、ともかく悪のりでも楽しめればいいじゃんねっていうのが制作総指揮のシュワルツェネッガーの考えだったようで、これはこれでいい。

 おもいきり弩外れたアクションをするにはどういう設定がいいかっていう考えから物語を作ろうとしたのかなっておもって観ていればどうやらそうでもなく、さほど弩外れてもおらず、普通のアクション映画の中に入り込んじゃった子供の夢の冒険譚だけなのかなとおもっていたらこちらもそうではなく、なんともまあ『カイロの紫のバラ』よろしく、映画の中から現実に抜けてくるっていうのは要するに二重世界の物語だったってことなんだよね。

 もちろん、二重世界を知ってしまったパラレルワールド人はそれを元にさらなる悪事を始めようとするもので、このあたりは定番の展開になるんだけど、これもまあこれでいい。本物のシュワルツェネッガーを登場させるあたりはこの撮影のときがいちばん乗りに乗ってるときだったのかな~と。

 それにしてもシュワルツェネッガー、若いわ。シュッとしてるね。

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スライディング・ドア

2016年03月13日 19時35分47秒 | 洋画1998年

 ◎スライディング・ドア(1998年 イギリス、アメリカ 99分)

 原題 Sliding Doors

 監督・脚本 ピーター・ハウィット

 

 ◎ドアを開けたか開けないかの分かれ道

 運命というのはほんとに皮肉にできていて、地下鉄のドアを抉じ開けるというのはなんだか自分で運命を切り開いているような感じがして途中まで新たな男と出会ったり、たとえその男が既婚者でも離婚申請中だったりと良い方へ流れていくような気がするんだけど、実はむりやり運命をひきよせてしまってもいきなり事故に遭って死んじゃった利と、どこかで破綻が生じちゃうかもしれないから気をつけてねっていう物語がひとつ。

 運命というのはなんとなく上手にできているもので、地下鉄のドアが眼の前で閉じちゃっても、それがなにも運命が閉じちゃうというわけではなく、そのせいで恋人の浮気が発覚してもその男は所詮つまらない男だったんだことがわかるし、それから先も騙されて続けていったところでやがては真実に気づき、みずから「出てって」といえるような自分になれるものだし、やがては運命の人とも出会えるようになってるんだから、人生ってのは決して焦らず、無理をしないでも大丈夫なんだよっていう物語がひとつ。

 うん、うまくふたつの物語を噛み合わせてるね。

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ブラザーズ・グリム

2016年03月12日 19時04分02秒 | 洋画2005年

 ◇ブラザーズ・グリム(2005年 117分 イギリス、チェコ、アメリカ)

 原題 The Brothers Grimm

 監督 テリー・ギリアム

 

 ◇グリム兄弟って題名じゃダメなのかしら?

 ていうか、モニカ・ベルッチの綺麗なこと。至宝とはこのことだね、いやまじで。

 ただ、仕掛けは派手でテンポも悪くないんだけど、いまひとつ入り込めなかったのはやっぱりコメディタッチだったからなんだろうか?現代的といっちゃなんだけど、魔物のトリックを仕掛けて金儲けを繰り返していたグリム兄弟がまじな魔物を退治する破目に陥るという、もう定番中の定番といってファンタジードラマなんだけど、テリー・ギリアムにしては毒が少ないんだよな~。明朗健全だし。

 

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マタギ

2016年03月11日 18時39分29秒 | 邦画1981~1990年

 ◇マタギ(1982年 日本 103分)

 原作・監督 後藤俊夫

 

 ◇本物の熊と雪

 ぼくはこういう作品は好きだ。

 当時はCGとかないし、おもいきり手作りの映画で、その好さはしみじみと感じられる。

 ただ、なんで老マタギと孫なのかな~とおもったりもする。邦画はこういう物語をつくるときになんでか知らないけど子供が出てくるような気がするんだけど、そんなことないんだろうか?とはいえ、老マタギに女性が絡んでも邦画の場合は妙に生臭くて湿っぽいものになる恐れもあるし、まあ仕方ないか。

 それにしても、この後藤さんっていう監督の撮るものはほんとに一貫してるね。これから後も『イタズ』や『オーロラの下で』とかあるし、独立プロ運動の中に身を置いてきただけのことはあっていかにも現地に密着したロケをしてきたんだな~って感じの絵作りのようにも感じられる。

 こういう映画はほんと少なくなったな~。

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祖谷物語 おくのひと

2016年03月10日 11時48分18秒 | 邦画2014年

 ◇祖谷物語 おくのひと(2014年 日本 169分)

 英題 The Tale of Iya

 監督 蔦哲一朗

 

 ◇半分でいいのではないか

 正直なところ、前半部分はかなり削った方が物語に感情が導入されやすいような気がするんだけど、おそらくぼくの勘違いなのかもしれないね。

 いや実際、ぼくは映画を観る目はないのかもしれない。だって、最初、事故で放り投げ出されたとおぼしき赤ん坊を田中泯が拾うとき、何の気なしに見てたんだけど、その成長した姿が武田梨奈につながらなかったんだから。それもそうだけど、大西信満がなんで祖谷に来たのかもわからず、外国人たちが棲んでいるのはわかるとしても道路やトンネルの敷設による自然破壊の反対とかを長々とやっているのがちょっとね。

 それと、35ミリで撮ろうという気持ちは痛いほどよくわかるし、昔だったらあたりまえだったことが注目されちゃう時代なんだな~という感慨もあるけれど、リアリズムなのかどうか同時録音された音がなんとなく河直美的だな~っておもってたら本人が大学の先生で登場してきた。

 まあ、いずれにせよ、長かったな~。

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ギリシャに消えた嘘

2016年03月09日 02時23分32秒 | 洋画2014年

 ◇ギリシャに消えた嘘(2014年 アメリカ、イギリス、フランス 96分)

 原題 The Two Faces of January

 監督・脚本 ホセイン・アミニ

 

 ◇やっぱり『太陽がいっぱい』に届かない

 もしかしたらパトリシア・ハイスミスの骨頂は、風光明媚な舞台設定で、こういう男女の三角関係を匂わせる中での殺人事件なんだろか?まあ、そんなことはハイスミスの小説を片っ端から読んでみればわかることなんだけど、活字嫌いの僕には至難の業だ。

 で、この作品なんだけど、なんとなく地味なのは登場人物がなんとなく無個性な印象だからだろうか。過失なのかどうか微妙ではあるけど、ともかく突如引き起こされた殺人事件のせいで、ひと組の男女ヴィゴ・モーテンセンにキルスティン・ダンストとガイドのオスカー・アイザックが一蓮托生の逃亡をしなければならない羽目になり、さらには女の不運な事故死のせいでいがみ合いながらも運命的な絆で結ばれていく男同士の殺意と憎悪の感情が交叉していくわけだけど、こんなにおもしろそうな筋立てなのに、なんで地味におもえちゃうんだろね?

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蘇える金狼

2016年03月08日 01時37分35秒 | 邦画1971~1980年

 ◇蘇える金狼(1979年 日本 131分)

 監督 村川透

 

 ◇やっぱり風吹ジュンだろ

 村川透はその頃の東映関連の映画の多くがそうだったからかもしれないけど、青い映画を撮る人だっていう印象がある。その名前のとおり、透明感のある絵が得意で、とくに引きの絵はそんな印象だ。もっともそれはカメラマンの仙元誠三の特徴でもあるんだろうけどね。

 そんな漠然とした印象はさておき、当時、松田優作は熱狂的なフアンがいて、大学のサークルでも後輩たちはこぞって映画を観に行ってた。ぼくは古臭い学生だったから往年の映画ばかり観ていて、松田優作の新作はかならず行くんだと息巻く感覚がほとんどなかった。とはいえ、当時の松田優作の影響は凄まじく、同時に村川透も仙元誠三も邦画好きな若者たちからは喝采を浴びてた。少なくとも僕のまわりはそうだった。

 で、僕だが、風吹ジュンのことが好きな僕としては、この映画に関しては見ないわけにはいかない。ま、小林麻美も好きだったんだが、当時、彼女らはとにかくかっこよかった。松田優作を観たいんじゃなくて風吹ジュンを観たかったんだよね、きっと。

 内容について語るのは野暮だし、松田優作の演技についてもいまさら書いたところで仕方がない。だって、僕なんかより遙かに松田優作のことが好きでたまらない人間はこの世の中にごまんといるし、そういう人が書いた方が好ましい文章になるからだ。

 けど、そう、この映画は音楽が良かったんだよね。当時でも死後だけど、しびれるような主題歌だった。音楽はケーシー・ランキンだったんだけど、主題歌を歌ってたのはペドロ&カプリシャスの前野曜子だ。すげえ、かっこよかった。この歌を聴くと、なんとなく大学時代のあれやこれやが浮かんでくる。映画の内容や風吹ジュンよりももしかしたらこの歌がなにより懐かしいんだよね、実は。

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セッション

2016年03月07日 02時16分03秒 | 洋画2014年

 ◎セッション(2014年 アメリカ 106分)

 原題 Whiplash

 監督・脚本 デミアン・チャゼル

 

 ◎なんだか『巨人の星』をおもいだした

 見当違いだといわれれば、そうだよね~といって頭を掻くんだろうけど、今、頭の中にあるのは星一徹と星飛雄馬の映像だ。息子を育てることに命を懸けてきた父親が、その息子を叩き潰すために命を懸けるという、訳が分かるようでよくわからないながらもその鬼気迫る決闘の行方を必死になって見守ってきた僕は、どうしても、この音楽学校のちょっといかれた音楽教師と新人のドラマーの対決に少年時代の名作漫画をおもいだしてしまうんだ。もうひとつは『愛と青春の旅立ち』だ。でも、どちらもちょっとずつ違ってた。

 ただまあ、このふたりの演技は凄いし、映像はリズム感にあふれていて大したものだっておもうんだけど、でも、だからといってスカッとする展開ではない。だって、そうじゃんね。結局、これって復讐譚だったの?とかって気分になってくる。ぼくには、この映画がなにを伝えたかったんだろうって気がするんだよね。よくわからないのよ。この気違いじみた音楽教師はいったいなにがしたかったんだろうって。新人を発掘して偉大なミュージシャンに育て上げたかったんだろうか?それとも自分の望んでいる理想の演奏をするためにかれらを鍛えていたんだろうか?でも後者はありえない。だって自分の理想とする演奏は学生たちには無理だろうし。だとしたら生徒を育てることに必死になってるってことになるんだけど、どうもそうは見えないんだよな~。

 けど、ひとつだけいえることは、ここまで凄い映像と演技の凝縮した映画は、たぶん日本じゃ作れないだろな~ってことだ。

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バックドラフト

2016年03月06日 01時21分35秒 | 洋画1991年

 ◎バックドラフト(1991年 アメリカ 137分)

 原題 Backdraft

 監督 ロン・ハワード

 

 ◎消防士の兄弟の物語

 地味ながらもこの映画がユニバーサルスタジオで大事にされるのは、たぶん、火災現場という舞台が誰にも理解できる身近な怖さを持った非日常空間であり、アトラクション化しやすいということもさることながら、なんともアメリカ的な兄弟愛を基にした筋立てにあるんだろう。

 まあなんていうのか、バックドラフト現象を扱ったサスペンスに仕上げていく必要はなかったんじゃないかって気もしたんだけど、なるほど、消防士の父を失ってしまっている兄弟の相克や猜疑というテンションの高くなる物語を設定するのはやっぱり消防署の跡地をめぐる連続殺人事件にした方がより効果的なんだね。納得した。

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JFK

2016年03月05日 18時02分31秒 | 洋画1991年

 ☆JFK(1991年 アメリカ 189分)

 原題 JFK

 監督 オリバー・ストーン

 

 ☆ディレクター・カット版は206分

 歴史の暗部を掘り下げた作品は昔から贔屓にしていて、この作品もそれに洩れない。

 なんていうのか、おおやけにされている歴史、とくに近代史や現代史の場合、上っ面だけをさらりと流してしまうことが多々あるようにおもえるのはたぶん僕だけじゃなくて、だからこういう作品が好まれるのだろう。もちろん、歴史における真実はたったひとつしかないんだけど、そこにたくさんの人間が絡んできたり、目撃者の証言など事件を取り巻く状況がきわめて曖昧な場合、どうしてもその真実にいたるのは困難なものとなってしまう。このケネディ大統領暗殺事件もそうしたもののひとつだ。

 で、当然、ぼくらはその真実を知りたいとおもうし、たとえ真実でなくても歴史の暗部をほじくりだそうと試みているものは見たくなる。この作品の場合、原案になっているのは事件の捜査にあたった地方検事ジム・ギャリソンの記憶によるものだから、たしかにジムの立場に偏ったものになるのは否めない。けれど、正義を追及しようとする姿勢は、よく感じられるし、きわめて興味深く鑑賞できた。だからといってケネディ暗殺事件について事細かに憶えていられるかといえばさすがに無理で、ドナルド・サザーランド演じるX大佐が指で5つ数えるのがものすごくかっこよかったな~っていうくらいの感想しかない。

 ただ、どうやら、この作品の場合、後に確認された物証などとはやや違った点がいくつかあったり、また作中で語られなかった事実もかなりあったりするらしいんだけど、ぼくにいわせればそれは無理もないことで、そうした取捨選択があるのは当作品がオリバー・ストーンによる事件の見方だからで、作品世界そのものを愉しむかどうかということと、歴史的な真実をうんぬんするということは別物なんだよね。

 でも、何度観直しても、この作品はおもしろい。

 

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思い出のマーニー

2016年03月04日 22時33分50秒 | 邦画2014年

 ◇思い出のマーニー(2014年 日本 103分)

 監督 米林宏昌

 

 ◇北海道リトル・オーバートン

 うまくまとめられた佳品っていう感じなんだけど、見ているとなんともいえない不思議な居心地になるのはたぶん原作の舞台がイギリスのノーフォーク州でそれがそのまま印象として残されているのと、人物の設定から類推される時代背景がどうしても日本のそれとはそぐわないことからなんだろう。

 もちろん、それは作品のおもしろさとかそういうこととはまったく無関係で、物語を楽しもうとする上においてそんなことは些細なことでどうでもいい感想なんだろうけど、ぼくは素朴にそんな印象を受けた。まあ、干潟のある入り江に立っている洋館になんでか知らないけど厳しいばあやに育てられている幽閉されたような青い眼の少女がいるとかいった、時代を超えて日本と英国とが融合してしまったかのような世界は、どうしてもそんな感覚を抱かせるんじゃないかっておもわないではないけどね。

 ちなみに、ぼくはスタジオ・ジブリから直線距離で200メートルくらいのところに住んでる。道がずどんと繋がってるわけじゃないから数十秒で到着はできないけど、でも散歩の途中で「ああ、今日も二馬力に灯が点ってるな」とかいうこともよくあったりする。で、東京郊外のその一角を眺めてると、なんとなくマーニーがいるような気もしないではない。なんかちょっと日本じゃない感じなのよ。

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ロッキー2

2016年03月03日 23時56分54秒 | 洋画1971~1980年

 ☆ロッキー2(1979年 アメリカ 119分)

 原題 Rocky II

 監督・脚本・主演 シルベスター・スタローン

 

 ☆スタローンの人生を決めた観のある作品

 誰もが第1作の『ロッキー』をそのようにいうけれど、この第2作がスタローンの生きる道を決めたともいえるような気がするんだよね。道というのはつまり監督業のことだ。スタローンはたしかに脚本を書いてその主役を張ることでスターになったんだけど、その後、イーストウッドみたいに監督もするようになった。それがこの作品で、まあ制作プロがハリウッドでは弱小かつ新興ということもあって、この後、スタローンはかなり酷評されていくことになるんだけど、でも、観客がどういうところで興奮したり感動したるするのかっていう壺はちゃんとおさえてるんだから脳味噌が筋肉でできているわけでもないんだよね、たぶん。

 まあそんなことはどうでもよくて、ぼくはこの映画は嫌いじゃない。たしかに『ロッキー』のシリーズでは、そうと認めたくない『5』を除けばどうしても地味だし、スタローンの演出もまだ外連味が足りないような気もしないではないんだけど、それなりに楽しめるし、なによりぼくらにとって文芸座の2本立ては『ロッキー』と『ロッキー2』なんだよな~。

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メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮

2016年03月02日 01時47分09秒 | 洋画2015年

 ◎メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮(2015年 アメリカ 129分)

 原題 Maze Runner:The Scorch Trials

 監督 ウェス・ボール

 

 ◎もはやこれは第2ステージとはいわない

 前作が迷路脱出劇として上手にまとまっていたから、むりやり続編を作り始めたようにおもえて仕方ないんだけど、そんなことはないんだろうか?

 あ、でも、ぼくはこの展開はとても好きだ。迷路から脱出した主人公たちは、自分たちと同じ境遇の若者が多数いることを知り、それは結局、特殊な人間を選び出すための方法で、そうしなければならないほど世界は破滅に向かっていて、でも、世界を破滅させつつある人間たちが利用しようとしている若者たちはそうした破滅者たちへの叛乱を企てていて人知れずコロニーを作って叛旗を掲げようとしているとかいう筋立てをおもうと、ああ、これもまたそういう展開なのかと、ちょっとだけ溜め息と苦笑いが浮かんでしまう。

 だって『ハンガー・ゲーム』も『ダイバージェント』も、結局、似たような展開になっちゃうんだもんね。ただ巨大な権力があり、それは正義を否定してでも自分たちの栄耀栄華を永遠のものにしたいと望んでおり、そうした国家など意味がないとした選ばれし若者たちが叛乱をおこし、やがてかれらは伝説中の英雄となっていくというのは、なるほどアメリカ建国であるとか、人民による革命であるとかいった歴史をほうふつさせるわけで、明治維新を経験した日本もまたそうである以上、こういう作品に身を入れてしまいたくなるのは無理もないことなんだよな。

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