Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE4. 再び車窓の景

2010年07月05日 | field work
 私の経験では、鉄道というのは景色の良いところを通らない。それも当然の話であり、例えば上高地のような風光明媚な所にのこのこと鉄道が出てきたら、大いに幻滅するだろう。鉄道路線は、概ね昔から開けたところ、人家が多く物流ルートに沿って敷設されてきた。路線の大半は、人家や工場・倉庫などが多く、風景明美なところの方が少ない。
 そんななかで、名古屋や京都から信州の山などへ出かけるときに利用する中央西線の車窓の風景は、いつも大変面白いと思う。木曽川に沿って山間を縫うように土地の高いところを走る山岳路線であり、やたらとカーブが多いので振り子式車体で駆け抜けて行く。それはバイクに乗っているような感覚であり、内側にググッと車体を傾けて走り抜けて行く。
 天気がよければ、中津川あたりから遠く南アルプスの一部を眺められることもある。山麓に広がる民家や畑は、少し日本離れしているようにも思われる。次第に山が迫ってくると、狭隘な土地に立ち並ぶ木曽地方特有の民家群の街や集落が美しい。車窓の風景が面白い路線だと思われる。
 ワイドビュー信濃は、松本駅から篠ノ井線に入り終点長野駅を目指す。この行程の最後に、姥捨駅辺りから善光寺平と千曲川を眼下にみながら、山麓を巻くように下って行くハイライトシーンがある。ここは旧国鉄時代から日本三大車窓の一つにあげられ、このブログでも昨年の8月10日に紹介した。他には、えびの高原と霧島連山を望む肥薩線の人吉~吉松間、狩勝峠から十勝平野を望む根室本欄の落合~新得間(1966年に新線開通により消滅)である。
 長野行きの場合は進行右側に、この風景を楽しむことができる。ただし逆方向の名古屋行きの場合では、この地点に差し掛かると先頭車両の自由席あたりだと車掌が検札にくるので、全く嫌みというほかない。切符をテーブル上にだしておいて撮影に没頭し、知らん顔するほかないだろう。
 ところで水曜日から日曜日まで、1,800kmを移動した。調度ツール・ド・フランスの1/2の距離だ。疲れるわけだ。そんなときに軽くて持っていることを忘れさせてくれる、オリンパス・ペンライトは楽ちんな機材なのである。

岐阜県・中津川市
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL 17mm/F2.8
シャッター1/200,絞りf5.0,ISO200.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする