7月31日㈬、朝8時に家を出て京都へ。10時から定例監査委員会議に出席。
宇治市にある京都府立洛南病院の事業会計について、医業収益を上げても、その分、京都府からの補助が削減される仕組みでは「病院のやる気を削ぐのではないか?」と指摘。
患者さんのスムーズな入院治療や在宅復帰のために必要だと昨年、現地監査に行った際に、院長先生から必要性を訴えられた「地域連携室の設置」などの新しい投資に回せるようにできないのか?会計の仕組みを考え直し、良い知恵を出すべきではないか?と何度目かの指摘をした。
洛南病院は精神科の病院で、どうしても一人一人の診療に時間がかかる上、救急に対応するとなると経営的には難しいため、民間ができないので京都府が行っている。
病院事業会計は毎月赤字で年度末に京都府が補助金を入れて赤字を埋める仕組みになっている。このやり方だと「新しい設備や人員の投資をしよう!」という発想になりにくく、年度当初に京都府が補助金相当額を病院事業会計に入れて、年度末に精算する仕組みにしたらどうかと何度も言っているが、健康福祉部は今日も「法律上、難しい」という回答だった。
他にも、今日は盛りだくさんの内容で、12時過ぎまでかかったが、前月までに指摘していたことについては、監査委員事務局がそれに対応する資料を用意し、改善策も考えていただいており、心強く感じた。
午後からは監査委員による決算審査が始まった。途中、予備日を挟みながら5日間にわたり、4人の監査委員で全ての府の部局、教育庁、警察本部、議会事務局、人事委員会の昨年度の決算を審査していく。
監査委員の決算審議の結果を9月上旬に知事に提出し、次は府議会の決算委員会に付されて、府議の半数によって9月議会で審議されることになっている。
今日は建設交通部と危機管理部に対しての審査を行った。
建設交通部には、まず道路整備について。新名神(大津~城陽)や京都縦貫道(大宮~峰山)の進捗状況やそのアクセス道路の整備状況と整備効果について質問した。
京都府の道路改良率は全国41位から上がらないため、早期の整備が求められている。
次に舞鶴港について。「他の日本海側拠点港と比べても、舞鶴港は差がつきすぎではないか?以前は同規模であった敦賀港との差もずいぶんあるように思う」と指摘した。
新しく着任された港湾局長は前任地が敦賀港だったそうで、「自分は敦賀の状況もよく分かっているが、舞鶴の持つ可能性は全く負けていない。3隻が直線で同時接岸できる港はなかなかない」と舞鶴港の振興に意欲を持っておられて安心した。
先日、広島県尾道港の「U2」を視察してきたが、ああいう施設が舞鶴にもあったら良いと思った。「ここ数年で赤字から黒字に転じている三セクの㈱舞鶴21が抱える過去の負債はいったん整理して今の体質から脱却させ、舞鶴港に人が集まるための新たな投資もやっていこうという意欲が出るようにしたらどうだろうか?」とも提案した。
1期目の府会議員になって2年目の時に多くの負債を抱えていた「京都府森と緑の公社を廃止」して負債を整理するように提言し、それを実現した経験がある。その時も同じように、過去の負債を引きずらずに新たなことを考えることができるようにするべきだと訴えた。
相当長いですが、そのことを最初に発言した時の京都府議会の議事録の抜粋を掲載しておきます。
◆2012年7月2日/京都府議会農商工労働常任委員会
四方委員
森と緑の公社についてお伺いしたいんですが、この森と緑の公社について、平成23年度はどんな収入が幾らぐらいあって、支出がどんなふうにあってという、その収支のばくっとしたところを教えていただければと思います。
平井林務課参事
平成23年度の公社の収支でございますけれども、主な収入としまして、補助金なり間伐収入がございまして、収益のほうが1億9600万円ございます。これに対しまして、費用のほうが事業費、管理費で6億2900万円ございます。これ以外に、借入金等の収支で4億3000万円ほどございます。当該年度の正味財産の増減でいきますと、収支プラスマイナスゼロという形になっております。
四方委員
これは借入金でマイナス分を埋めて、収支差額がゼロということなんですか。
平井林務課参事
事業費の不足分につきましては、先ほどございましたように、政策金融公庫等からの借入金なり、京都府からの借り入れという形になっております。
四方委員
府の支援は、例えば利子補給ですが、平成22年は利子補給が1500万円で、平成23年は3億2400万円ですかね、1年で利子補給の額がはね上がっておるんですが、これは何か理由があるんですか。
平井林務課参事
平成23年度からは、利息相当、来年度の利払いにつきましては全額京都府からの利子補給をするという形で対応しておりますけれども、平成22年度につきましては、年度途中の補正から対応いたしましたので、額については差が出ているという状況でございます。
四方委員
これもざっと見て、例えば出資金1300万円ぐらいなんで、会社でいえば資本金が1300万円ぐらいの会社に226億円も借金があって、利子補給だけで、毎年3億円ぐらいを出してもらっている。僕がもし会計士でしたら、これはもういったん借金も整理して、やり直したほうがええんやないかとアドバイスするんやないかと思います。この(森と緑の公社のあり方)検討会には立派な方がたくさん集まっておられて、こんなん数カ月もかけんでも、すぐパッとわかるような話やないかなと思いますが、京都府として、これ226億円、検討会の結果が出たとして、何かお考えはあるのですか。
今西農林水産部長
先ほどもご説明させていただきましたが、基本的にはそういった経費については、森林勘定ということでの資産として上がってきますので、決してマイナスが出ているというような決算になっているわけではございません。ただ、今もご議論いただいていますけれども、将来、これが幾らで売れるかということによって、この226億円が正直決まってくるということがございますので、この中でのご意見でも、今の値段で考えるのではなくて、将来2割ぐらい下がったということも含めて考えていく必要があると、そういったご意見もいただいておるということでございます。だから、そういうようなことも想定しながら、将来、通常の京都府の森林は、大体45年生以上ぐらいになってますけれども、公社の場合には少し遅く、昭和42年から始めておりますので、そういう意味では伐採できる時期が少し先になるということがございますので、そういったことも十分勘案して今後検討してまいりたいと考えております。
四方委員
これ多分、一番危険で、私が銀行マンだったら、例えばそれが資産になると言われても「ハイ、そうですか」とは多分納得せえへんと思いますね。特に立木は昔ならそれは大きな資産やったと思いますが。(中略)これ今の金額でいけば、226億円の借金は順調に返済もしていけて大丈夫だという金額なんですか?今の木材価格でいけば。
今西農林水産部長
もうそれは委員おっしゃるとおりでございまして、今の現状を考えますと、そういう現状にはないということがございますので、この間もいろいろと例えば公社の人員を削減するとか、それから事務所も小さくしていくとか、いろいろな経営努力というようなことも含めてやっておりまして、正直なところ、今のところ大変厳しい状況にあるという認識はいたしております。
四方委員
例えば(公社が保有している)立木を京都府が買い取って、それで(226億円の)借金を一回チャラにする。毎年3億何千万円という利子だけを京都府が支援していかないかんとしたら、銀行だけ儲けさせとるような感じでしょう。森林の労働者は例えば平均月収が12、3万円とか、今日、資料見せていただきましたが、そういうことを考えると一番給料の高い銀行ばっかりに、どんどん、どんどん支援して、給料の低い林業はいつまでたっても伸びていかんような形なので、その立木をとりあえず京都府が自分の資産にして、要するにつけかえて、その分のお金を返して、もう利息を返さんでええような状態にして、あとは木が売れた分だけ京都府がお金返してもらうような形にしていくなり根本的な対策をとらんことには恐らくどうにもならんなと。パッと見ただけで、素人的に見ても思いますので、専門家の方たちがどういう結論を出してこられるのか、また次の時に聞かせていただこうと思いますが、恐らくそういうことではないかと思います。以上です。
※2014年6月6日付 日本経済新聞より
京都府などが出資し、森林整備事業などを手掛ける一般社団法人「京都府森と緑の公社」(京都市)は5日、京都地裁に民事再生法の適用を申請したと発表した。負債額は229億円。事業は府が引き継ぎ、公社は来年3月末をめどに解散する。
府は公社に貸し付けている49億円の大半を放棄する。残りの負債を肩代わりするため、第三セクター等改革推進債(三セク債)を発行して全額返済する見通しだ。三セク債の金利分を合わせ、最終的な府民負担は240億円以上に上るとみられる。
公社が整備する森林は277カ所で広さは計4412ヘクタール。このうち約9割の244カ所は府が引き継ぎ、27カ所は所有者に返還する。残りの6カ所については地権者らと取り扱いを調整しているという。
1967年に設立した公社は府が75%出資する。山林を所有者から借り、スギやヒノキを50年以上かけて育てた後、伐採した木材の収入は所有者と公社で分け合う計画だった。ただ外国産木材の流入に伴う国産材価格の低迷などで将来、計画通りの収益を上げるのが難しいと判断。府は2064年度に504億円の債務超過になると試算し、昨年2月に公社の解散方針を打ち出した。
これに比べると、㈱舞鶴21の負債は約4億円。京都府が早く決断して、新たなことができる体質に改善すべきだろう。
※参考「令和5年9月京都府出資法人の自己評価報告書及び経営状況報告書」㈱舞鶴21は49ページに掲載
公共交通については「昼間のバスだけでなく、夜の公共交通をもっと積極的に考える必要がある」と述べ、「ライドシェアの制度を国にもっと柔軟にしてもらって、特に地方都市で運用しやすくするべきだ」と提言した。
危機管理部には今年完成した京都府危機管理センターの機能や使用状況について質問した後、最近の警報発令、解除のことについても疑問を質問した。
また消防団員の確保について、難しい問題だし、様々な手を講じていただいているのは確かだが、団員の減少と高齢化を見る時に、今の施策だけでは効果が上がっていないと思う。
「わがまちの消防団強化交付金」は以前のように、各分団に団員数×5000円を現金で支給し、必要なものを必要な時に買える、使える仕組みに戻す方が良いのではないかと提案した。
さらには消防団員の増加には、勤務先と家族、地域の理解が必要だとも述べた。
「消防団活動を通して様々な資格取得の受験料を消防団で負担する、講習等の機会をつくるなど、送り出す企業のメリットを高めるのはどうか?」「女性消防団や子ども消防団は家族の理解を得ることにつながるので、さらに進めるべき」「最近は火災での出動以外にも水防や行方不明者捜索など、活動が広がっていることを地域にアピールして、若い人が必要だと訴えること」などを提案した。
夜は京都に泊まった。