3日㈪、雨の降る中、歩いて綾部駅へ行き、朝7時12分発の特急で京都に向かった。もう一本後の7時53分発の特急は週末しか運行していないことに昨夜、気がついたので早く家を出た。
10時までに府庁に着くためには、7時12分発に乗るしかない。これだと早く着きすぎるが、仕方ない。
10時から予算特別委員会の警察本部の書面審査。午後は商工労働観光部の書面審査。共に質問はなし。
夜は京都泊まり。
4日㈫、午後に予算特別委員会で危機管理部の書面審査。質問は「原子力防災」について。
京都府は原子力発電所の立地県ではないが、福井県の若狭原発群に隣接しており、府内にPAZ(10キロ圏)、UPZ(30キロ圏)を抱えている。圏域内人口は立地県の福井県よりも多い。舞鶴市は全市がすっぽりUPZに入るし、綾部市も約半分がUPZ圏だ。
立地県である福井県と京都府では、原発に関する情報提供や避難計画の実効性、地元の地域振興対策などで大きな差を付けられている。
そのため京都府は、UPZ内の自治体には等しく、いわゆる「同意権」(原発の安全性を確認した上で稼働に同意する権利)を法制化するように国に求めている。
ただ、同意権も持っているだけでは意味がなく、京都府が「それを行使するぞ」という迫力を持っているかどうかも重要なことだ。
そのため、原子力防災について京都府の本気度を問うたが、京都府は国や関電の言いなりで全く府民の側に立っていないことが分かっただけで、今日は国や関西電力に質問しているのかと思うほどの酷い答弁だった。
この3年間、知事やUPZ内の首長と国や関西電力との協議の場である「地域協議会」は一度も開催されておらず、事務方レベルの「幹事会」を年に一度、開催しているだけとのこと。
昨年8月に開催された「幹事会」の議事録を読むと、UPZ内の自治体の副市長さんらは「地域協議会」の開催を要求しておられたが、京都府は全く動いていないようだ。そんなことでは舐められるだけだ。
また、昨年2月に関西電力は使用済み核燃料を保存用プールから出して、地上で自然の空気で冷やすという「乾式貯蔵施設」の設置計画を通告してきたが、それに対してもようやく8月になって事務方レベルの幹事会を開催し、国や関電に説明を求めているという対応の遅さには「そんなことでいいのか?」と疑問を呈した。
「乾式貯蔵施設」は新たに原発を増設するような重要な問題であるが、私も先日、市民団体の方々に話を聴くまで認識していなかった。
高浜発電所内には敷地が少ないので、裏山の急斜面をさらに削って50度以上の急な崖の下に設置することになっていて、これに対しては国の原子力規制委員会委員ですら公式の場で強い懸念を示しておられたが、京都府はこれについて問題視する気もないようだ。
「まずは早く住民説明会を開催するべきではないか?」と要求したが、何度そう言っても「住民への広報はチラシの新聞折込が一番有効」と繰り返すばかりで呆れた。
最後には「そういう方法(住民説明会)も検討の俎上には乗せたい」という答弁を引き出したが、SNSや折込チラシだけではなく、やはり住民に直接説明し、意見を聴くべきだと思う。
「乾式貯蔵施設」は核燃料サイクルが成り立ってこその話だが、青森県六ケ所村の再処理施設はいまだに稼働の目途も立っていない。フランスに輸出するという話も本当に可能なのか、よく分からない。可能ならさっさとやれば良いと思う。
「こんな甘い対応では、国や関電からすれば京都府は御しやすいと思われてしまって、とても同意権の獲得なんかできませんよ」と主張したが、通じていないようだった。
避難路整備についても、福島事故から14年、いまだ何ら完成の目途は立っていない。「どれだけの避難路整備が必要か、概算を見積もって、それを国や関電に提示しているのか?」と質問したが、「それはその都度考えることなのでやっていない」という回答だった。
「原発のUPZは京都府の北中部の舞鶴市、綾部市、福知山市、宮津市、伊根町、南丹市だけの問題だと思われているかもしれないが、大飯原発から琵琶湖まで25キロ、高浜原発から30キロですよ。琵琶湖を水源としている地域も他人事ではなく、何かあったら京都府は終わりますよ。京都府全体の問題として、もっと強く国に安全・安心対策を求めなければ、何百年待っても同意権なんか得られませんよ。こんな京都府の対応では私は不安になりました」と憤りの意見を述べて締めくくった。
※京都府議会のHPから質問は動画でご覧いただけます。(質問の数日後から約1年間)
委員会終了後は京都アリーナについて角田幸総文化施設政策監らから質問していたことの説明を受けた。納得いかない部分があったので、再度回答してもらうように求めた。
夜は京都泊まり。