月末だったので、午前中は会社の支払い等に行った。
午後は福井県の鯖江市に視察に向かった。今回の視察テーマは、「環境保全型農業とそれを活用した観光振興」だった。
奥上林「吉水」の中川社長にご紹介をいただき、綾部や東京、福井から総勢20名ほどが参加した。
鯖江市の河和田(かわだ)地区で、約70haの水田を耕作しておられる㈲内田農産を訪ねて、内田秀一社長からお話を伺った。
内田農産は15年ほど前から共同防除を止め、野生生物に配慮した農業を確立された。現在は、6月に田んぼにホタルが火の粉のように乱舞する環境を作られ、“蛍米”としても消費者にアピールしておられる。全て直販しておられるそうだ。
田植えの際に1反当たり、お猪口1杯程度の農薬を散布するだけで、最低限のカメムシを防除しておられるということだった。あとどうしてもカメムシに食われて黒ずむ米は2000万円と1000万円の2台の色彩選別機で選り分けるということをおっしゃっていた。
一緒に行った卓ちゃんによると、綾部でもほとんど共同防除はなされておらず、田植え時の農薬も使っていないそうなので、綾部にもこういう環境を作りだせる可能性はあるのではないかと思った。
内田社長は重機を使いこなし、圃場整備のレベル調整は自分で建設会社の下請けとして作業されるそうだ。
思い入れや使う側の気持ちが分かって整備されるので、立派な田んぼが出来上がるということだと思った。
現地視察の後は、「うるしの里会館」を見学した。ここでは鯖江市議の木村愛子さんが中心になっておられるNPO法人かわだ夢グリーン・おばばの会の方々による狂言「塗師平六」を鑑賞させていただいた。
写真では、立って演技しておられる方が木村さんだが、本当にしっかりとした女性リーダーだった。
食事は会館内の喫茶店で、地元の女性グループの方による手作り弁当をいただいた。漆器の会館だけあって、器は立派なもので、味もしっかりしていた。
食事後、ホタルを観に行った。すでにピークを過ぎていたが、それでもたくさん観ることができた。
温泉に入って帰ろうということになり、夜9時半頃から地元の温泉施設に行き、一緒に行ったメンバーで、しばし視察内容に関しての意見交換やまちづくりについての情報交換を行った。
話が盛り上がったので、ずいぶん帰路に着くのが遅れ、綾部に帰ったら2時を回っていた。
しかし、有意義な視察を行うことができたとみんなで満足しながら帰った。帰りの車の中でもいろいろな話ができ、「こういう視察を年に何回か、またせんとアカンなあ」という意見も出た。