2日(水)、3日(木)は府議会の高齢社会対策特別委員会で横浜、東京へ。
これまで総務、農商工労働、環境・建設交通、文化・教育、警察の常任委員会に所属し、特別委員会も公共交通、防災対策、地域創生とかで東京に視察に行くことがあったが、こういう事業系というのは、現役世代の対策についてを視察することが多く、圧倒的な財政力による、とても真似できないなあという視察が多かった。
それが、今回の視察は違っていた。
首都圏なのに、行く先々で、高齢者が多い。というか、若い人がほとんどいない。
最初に、横浜市旭区の南万騎が原駅から5秒という立地にあるサービス付き高齢者住宅を視察。横浜市と相鉄不動産が協力して開発された。
1LDKで月の家賃が20万円ほど、支援サービスを受けたり、共益費を払うともう少しかかる。食事代は別なので、入居するには結構お金がかかるなと思った。
「どういう方が入居されるんですか?」と聞いたら、「超一流企業を退職された方とか夫婦ともに公務員の方とかですかね」ということだった。
「自治会の仕事とか、神社や寺の清掃奉仕などもなく、ここに住んでいる人は何をして過ごすんですか?」と質問したら、しばらく誰からも答えが返ってこなかった。「アクティブな方が多いので、東京へ行って美術館巡りとか…」と答えがあったが、美術館はお金も結構かかるし、それだけでは飽きるのではと思った。
続いて、東京の銀座へ。
若い女性が経営されている高齢者の起業支援企業を訪問した。いろいろと支援について工夫がなされているなと感じた。東京ではレンタルオフィスで企業経営をするのは、怪しまれることもなく、普通のことだとのことだった。
2日目はまず世田谷区役所に行った。20年前に2年ほど世田谷区民だったことはあったが、区役所に来るのは初めてだった。区議会議長さんも挨拶に来ていただいた。
世田谷区民は90万人。高齢化率は20%で高齢者数は18万人。高齢者も増加しているらしい。
一方で、特養は1400床しかないようで、待機者が1800名、区議会でも大きな課題として多くの方が質問されていた。しかし、土地確保が難しいようで、国有地を多く使われていた。
午後は板橋区の高島平団地を視察。昭和40年代に建設され、その当時は1万世帯3万人の住民がおり、若い人がほとんどだったようだが、今は1万世帯に1万5千人、日本人だけだと高齢化率は50%を超える。
NPO法人が様々な助け合い事業などに取り組んでおられた。民間企業がURから部屋を借り受け、サービス付き高齢者住宅も整備されていた。家賃は月10万ほどだった。
都市部は若いうちは楽しいことが多いだろうが、移動や仕事に制限がある高齢者になると、途端に住みづらくなる気がした。
支援は様々なに行われているだろうが、支援スペースや支援人員はとても1万人以上の人に対応できるとは思えない。
地方の暮らしの良さを少しずつ高めていけば、生涯のトータルで決して地方の生活は悪くない。これをもっと「見える化」していく必要があるのではないかと感じた。