午前中は妻の実家で法事。妻のおばあちゃんと大叔父さんの13回忌法要だった。おばあちゃんは結婚式の後、1カ月ほどで亡くなられた。
妻の実家のお墓の隣りに、新庄倉之助のお墓がある。
倉之助はグンゼ創業期に技術指導者としてグンゼの基礎を築かれた一人だ。何鹿郡蚕糸業組合で書記を務めていたが、組合長であった波多野鶴吉の要請で上州(群馬県)に製糸技術を学びに行った。大変ハンサムで工女さんの憧れの的だったと言われている。
若くして病死され、キリスト教徒であって実家のお墓に入れなかったのか?お墓は友人らによって建てられたと刻んである。戒名もなく、「新庄倉之助君の墓」とある。
倉之助は里町から来ていた木下さんという工女さんとの間に女の子が1人あり、その子は倉之助の死後もグンゼが庇護して学校にやって育てたという記録があり、当時使っていた学校の教科書がグンゼ本社に残っていた。
お墓が倒れかけているので、数年前にお義母さんがグンゼ本社を訪ねて、グンゼで面倒みてもらえないか?と頼まれたことがあったが、今はどうなっているのだろうか?
波多野鶴吉・はな夫妻がNHK朝ドラになれば、新庄倉之助は必ず登場するべき人物なので、このお墓も観光対象になって脚光を浴びてほしい。
午後は、中丹文化会館で開催された世界連邦日本大会に出席。綾部市は昭和25年、日本で最初に世界連邦都市宣言をした市である。今回は久しぶりに日本大会が聖地・綾部で開催された。
自民党の谷垣禎一幹事長、元参議院議長の江田五月参議院議員、大本の出口紅教主などが来賓で参加された。
世界連邦運動協会からは、中野寛成会長代行、横路孝弘元衆議院議長などが出席された。
記念講演の講師は宗教学者の中沢新一氏が「平和の富」と題してお話された。納得のいく内容だった。
中沢新一先生の講演要旨は次の通り。
戦争の原因には「経済」があり、戦争とは相手国の経済を破壊することである。
冷戦下の戦争はイデオロギー対立だった。キューバ危機というのがあったが、あの緊張感は今の南シナ海での比ではなかった。第三次世界大戦になるという危機感があった。
現在は経済がグローバル化し、そういった戦争は起こりにくい。アメリカが中国経済を破壊すれば、直接的にアメリカ経済が影響を受けるからだ。そういう国同士の戦争ではない、地域紛争が数多く起こるのがこれからの時代である。
「資本主義」の「資」は「次の貝」と書く、投資に次ぐ投資でお金(貝)を増やすことが目的になる。
中沢先生は「富本主義」を唱えられた。「富」という字は家(地域)の中に「酒」があるということを示しているそうだ。「貝」は「生物の死骸」だが、「酒」は「細菌で発酵させた生き物」であり、人をもてなすことも余剰分をお金に換えることもできるとおっしゃった。
グンゼ(郡是)の創業理念はまさにこの「富本主義」であって、世界連邦の思想にもつながり、世界平和への道筋となる考え方であり、綾部は世界平和の聖地であり、綾部からの発信によって世界平和が生まれてくる重要な地だとおっしゃっていただいた。
夕方からは京綾部ホテルで懇親会。ミッシェル・フローさんのシャンソンショーでも大いに盛り上がった。
フローさんはフランスから40年前に来日し、10数年前からは綾部の中上林で暮らしておられる。水夢のプールの愛用者でもあり、よくプールで歩いておられる。明るく楽しく迫力ある歌を唄われる。
綾部世界連邦運動協会の理事でもある「半農半X」の提唱者である塩見直紀さんも来ておられた。