加計学園の獣医学部新設に関して、連日の報道がなされている。
加計学園1校だけが認められて、京都府が特区申請していた京都産業大学の獣医学部新設が認められなかったのは残念なことだ。
京産大が獣医学部を綾部市に新設したいということを最初に聞いたのは3年ほど前だったと思う。以来、京都府や京産大はずっと文科省に要望してきたが、なかなか認められず、昨年度は「創薬分野等新たなニーズに対応する獣医学部の設置」として国家戦略特区での申請を行った。
報道だけを観ていると、京産大は京都市内に学部新設するように思われるかもしれないが、実際には大学のほとんどない北近畿の、それも四年制大学が一つもない綾部市への新設要望であって、「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り、獣医学部の新設を可能とする」という国会戦略特区諮問会議の条件にも合致するのではないか。
そもそも国は大都市圏の大学定数を抑制しようとしながら、なぜ大学のほとんどない地域への大学進出を抑制するのか?それでは「地方創生」はまさにかけ声だけではないか。
また日本獣医師会は獣医が足りていると新設に反対してきたが、それならなぜ京都府では職員としての獣医が採用できないのか?製薬会社からも獣医が足りないという声が上がってくるのか?と疑問だ。
京都府には今年度も特区申請をお願いしたいし、国にも将来を見据えた広い視野での決定をお願いしたいと思う。