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バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

某地区巡回バスの最終周回で…

2014年06月26日 19時44分31秒 | バス運転士
今日の勤務の“メインディッシュ”は某地区巡回バス(計5周)だったのだが、ある交差点が工事による片側交互通行になっていて… そこだけで3~7分くらい遅れてしまった。さて、午前中にもどきを3周&巡回を3周して、昼食タイム後に巡回を2周したのだが、その2周目(本日の私の最終周回)の後半… 某住宅地の坂を上って行って、コンビニのある交差点を右折したところにある△△停で、2人の元気そうなお爺さんが乗ってきた。そして、帽子をかぶったお爺さんが「ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」と言った。


私が「はい、何でしょう?」と聞く態勢を整えると、そのお爺さんは「この1本前… 1時間前のバスが来んのだわ! 1時間以上前からココで待っとったから間違いない。なんで来んのか分かる? アンタに聞いても分からんわなぁ~ 多分、早く行っちゃったんだよ。それで、コールセンターへ電話したんだけど“調べます”って言ったきり、1時間も連絡がないんだよ。どうなっとるんだろうな! 最近のバスはいろいろ問題だらけで… あぁ、あなたのような善良な運転士さんに言ってもしょうがないな。ハハハ…」というようなことを一方的に喋ってから着席した。


実は… その1時間前のバスも私だったのである。もちろん、私は早く行っていないので、すぐに否定しようと思ったのだが… そのお爺さんの“勢い”から考えて、私が「早く行っていません」と言ったところで、「そうか」と簡単に納得するとは思えず… それどころか「そんなはずはない! 早く行っただろう!」と言い返されて、その場でみんなが無駄な時間を過ごすことになると思ったので黙っていた。バスが走り出しても、そのお爺さんは「だいたい☆☆駅行きの後に来るんだ」とか「いつも2~3分は遅れて来るんだ」などと連れの男性に話していたので、私は「なるほどぉ~、バスが時間通りに行った後、バス停に来た可能性があるな」と思った。


その後も、私はバスを走らせながら“1時間前の出来事”を思い出そうと必死だった。しかし、△△停の2つ手前のバス停で時間調整停車したことと、△△停の次のバス停を30秒遅れで通過したことは思い出したのだが、肝心の△△停のことが思い出せなかったのである。それでも、私はビクビクすることはなかった。なぜならば、お爺さんが「バスに置いて行かれた!」のではなく「バスが早く行ってしまった!」と言っていたからである。つまり、お爺さんはバスを目撃していない=バス停付近にいなかったと考えられ… 「私に落ち度はない!」と思えたからである。


約10分遅れで終点の某駅に到着… 次の発車まで数分しかなかったけれど、とりあえず待機場所へ移動… すると、そのお爺さんが“なぜか休憩室の方へ歩いて行った”のである。私は「まさか… 他の運転士さんに八つ当たりするなんてことはないと思うが… ここは、私が行って決着をつけたいところだが、話がゴチャゴチャして次の発車が遅れては洒落にならんし… う~む… 休憩室から営業所へ電話をさせるくらいで済めばいいのだが…」と祈りながら、次の発車=営業所前ターミナル行きの準備をした。


予定通りに某駅を発車して、約20分後に営業所前ターミナルに到着… すると、「待ってました!」とばかりに1人の上司が駆け寄ってきた。が、今回の私は「ドキッ!」とはしなかった。あのお爺さんの“苦情”の件で、そう来るだろうと思っていたからである。その上司は「松井くん、△△停を早発なんかしてないよなぁ~ ※※という男性から、えらい剣幕で何度も電話があってさぁ~」と言いながら、ドライブレコーダーに記録されたデータを抜き取って事務所へ戻って行った… その後、私はバスの給油をして、運賃箱の金庫を開錠して… 終業点呼のために事務所へ行ったのだが、すでに身の潔白が証明された後だったようで、点呼場にいた上司から「問題ないよ」と言われた。


しかし、私は何となくスッキリしなかったので、1時間前の△△停の様子(映像)がどんな感じだったのか尋ねたところ… 「△△停の手前… ちょっと離れたところに階段みたいなところがあって、そこに一人の男性が座っているのが映っているんだけど… 松井くんは△△停で止まって、1人の女性を降ろしているんだからなぁ~ それでも、その男性に動きはなかったし… もちろん、時間も早くなかったし… 全然、気にしなくていいよ!」と言われたのだった。なるほどぉ… 私は△△停で1人の女性を降ろしていたのかぁ~ ま、思い出せなかったということは、女性が若くな… ゴホンゴホン! 好みのタイプじゃな… ゲホゲホ! 私には高嶺の花だったのかもね。ハハハ…