バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

若い男女と青い運転士

2015年12月30日 14時06分57秒 | バス運転士
あるバス停にて… 先頭の“比較的若い男女”が、後続のお年寄りに順番を譲ったのを見て、「おぉ~ 私には出来ない… 素晴らしいなぁ~」と思いながら、10名ほどのお年寄りの乗車扱い(フリーパス提示の確認)をしたのだが、元気なお年寄りばかりだったので、1分も経たないうちに乗車&着席を完了した。

が、お年寄りに順番を譲った男女は、バス停で痴話喧嘩… 否、何か分からないけれど話し合いを続けていた。雰囲気を察した男性が、ゆっくりと前扉に近付き、バスのステップに右足を掛けてフリーパスを提示… と、そこで振り向いて「行こうよ!」と女性に声を掛けたのだが、女性は「いってらっしゃい!」と言うように手を振った。

すると、諦めの悪い(?)男性が「いいじゃん、一緒に行こうよ」と女性を説得し始めたのだが… 女性は「私、何も用意して来なかったから…」と両手を広げて見せたのだった。その様子を見ていた私は「はい、これで一件落着…」と思ったのだが、私以上に(?)諦めの悪い男性が「あぁ、それじゃ…」と言いながらポケットから財布を取り出した。

私が「ひょっとして!?」と思っていると、予想通り… 男性は財布から“介助者用フリーパス”を取り出して提示… それを確認した女性は、急いでバスに飛び乗ったのだが… 青になっていたはずの信号は、再び赤に変わっていた。ま、そういう細かいことの積み重ねで遅れることもあるのがバスなので… 少し遅れたくらいでは“遅れの案内(遅れた理由)”は言わない(言えない)のである。

(まぁ~ とか何とか言っちゃってぇ~! ホントは、その仲睦まじい男女が羨ましかったんじゃないのかぁ~? だから、いい年こいてケツが青いオマエはスネちゃって、「バスが遅れたくらいでガタガタ言うんじゃねぇ~!」って思ったんじゃないのかぁ~? どうだぁ~ 図星だろう~! ハハハ…)