バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

ピカピカにメロメロ、ピンピンにハラハラ

2017年04月11日 20時29分04秒 | バス運転士
朝7時台の営業所前ターミナル発・某運動場行き… 昼間は乗客ゼロも珍しくない路線だが、その時間は早々に10人ほどの乗車があった。そして、途中の某駅停では3人の“ピカピカの一年生らしき制服乙女”も乗ったのだが、その「おはようございま~す(×3)」という爽やかな声によってオッサンはメロメロ…

と、その時! 空気を読めない運賃箱が「ピー!(残額不足!)」と叫び、バス通学に慣れていない乙女は慌ててバッグの中をガサゴソ… それを見た私は努めて冷静に「まだICカードからは引かれていませんので…」と説明を始めたのだが、乙女の耳には届かなかったようで、財布から一枚の千円札を取り出して運賃箱へ挿入しよう(現金で支払おう)としたのである。

そこで、私が千円札の挿入を制止して「入金ですか?」と尋ねると、乙女は「できるんですか?」と少し驚いたような喜んだような… そんな表情を見せたので、私は「千円札があればできますよ」と言いながら運賃箱の入金ボタンを押した。それからICカードをタッチ&千円札を挿入してもらっ… なぜか拒否! 再び挿入… 再び拒否! 運賃箱が千円札を受け付なかったのだ。

私が、手袋をしたままの左手でもう一度挿入… それでも拒否! その瞬間、先日の“洗濯された千円札の話”が頭に浮かんだのだが、「でも、これは真新しいピンピンの千円札だからなぁ~ おかしいなぁ~ どうしよう?」とハラハラしながら挿入&拒否を繰り返していたところ… 「ん? この千円札、ちょっと違和感が…」と、ボケな私はようやく気が付いた。

そこで、千円札を持っている左手の指先にグッと力を込めたところ… あ~ら不思議! 一枚の千円札が二枚に増えたではありませんか!(不思議でも何でもないわぃ!) そう、ピンピンの千円札が二枚重なっていたのである。「あっ!」と驚き恥じらう乙女… すぐに一枚を彼女へ返却、もう一枚を運賃箱へ挿入して入金完了! そしてピピッと支払い完了!

それから約10分後、某高校前で「ありがとうございました~(×3)」と言いながら降りて行った乙女たち… 「はい、ありがとうございましたぁ~」と返事をしながら再びメロメロになるオッサン運転士… あぁ~ 私にもあんな初々しい時期が…(なかった、なかった! 子供の頃からオッサンだったろ? ハハハ…)