バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

早朝のタクシードライバー

2017年04月19日 20時37分54秒 | バス運転士
先日、市内中心部行きの始発を担当した時のこと… 地下鉄某駅がある大きな交差点で信号待ちをしていた私は、交差点の先にあるバス停に一台のタクシーが止まっていることに気が付いたのだが、「きっと客扱いをしているだけだから、すぐに出て行くだろう」と思っていた。

信号が青に変わり、私はバス停に接近して行ったのだが… まだ、タクシーが居座っていたのである。バス停には乗客が3名… もしも、そのタクシーが少しでいいから前か後ろにズレた位置で止まっていてくれたら、そのようにバスを止めて乗車客扱いをしたのだが… 本当に真ん前だった。

とりあえず私はタクシーの後ろにバスを止めて、「乗客が一万円札を出したのか? カードが使えないなどと言い争いでもしているのか?」と思いながらジッとタクシーの車内を凝視… ところが! 車内には乗客の姿がなく… それどころか、運転手の姿も見当たらなかったのである。

仕方がないので、私は「運転手、どこにいるんだよぉ~!」と思いながら「プッ」とクラクションを鳴らし… もう一度、今度は長めに「プゥ~~~!」とクラクションを… その時! 運転席に丸い物体が現れた。それは運転手の白っぽい頭… そう、シートを倒して寝ていたのである。

タクシーの運転手は急いでエンジンを掛けて急発進… と思ったのだが、普通にエンジンを掛けてゆっくりと発進… フラフラと蛇行しながらノロノロと走り去ったのだった… きっと徹夜で乗務していて、「バスの運行時間外だから~」と少しだけ仮眠を取るつもりが思いっ切り爆睡… お爺さん、お疲れ様です。