バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

赤いスポウェ

2017年04月08日 17時31分32秒 | バス運転士
先日、某駅の乗り場へ早めに移動… 10人ほどの老々男女が乗って着席… 発車時刻まで3~4分あったので、私はバスへ向かって来る乗客がいないかどうか、周囲を見回していた。すると、右ミラーから左ミラーへ“後方の横断歩道を渡っている、真っ赤なスポーツウェア乙女小隊”が映った。

しばらくすると、彼女たちがやって来て… 先頭の乙女Aが「◎◎停、行きますか?」と言ったので、私は「はい、行きますよ」と答えた。そして、二番目の乙女Bから「乙女A、お金あるの?」と聞かれた乙女Aは「うん、あるよ」と答えながらタッチしたのだが… 見事に「ピー!(残額不足)」と出てしまった。

その瞬間、助手席に座っていたジジイが「あぁ~ 発車が遅れる」と小声で呟いたのだが… 幸い、焦っている乙女たちには聞こえなかったようで、私はホッとすると同時に「このジジイは、自分が乗ってからの時間的感覚で“もうすぐ発車だ”と思い込んでいるに違いない。しかし、今回は早めに乗り場に着けたから、まだ大丈夫! 余裕だぜ!」と思っていた。

だから私は、焦っている乙女Aに対して、通常の3倍の丁寧さ(?)で「まだICカードから引かれていませんので… ICカードに入金してから支払うか、現金で支払うか… どうされますか?」と説明したところ、乙女Aは「じゃあ入金で… あっ! 千円札がない… やっぱり現金で!」と答えてから210円を投入した。結局、通常の乗車の3倍以上の時間がかかってしまったけれど、まだ発車時刻の30秒前であった。めでたし、めでたし…