バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

今日の主役もお婆さんとお爺さん

2017年04月22日 22時29分58秒 | バス運転士
あるバス停に接近… 降車ランプは点灯しておらず、バス停にも人影がなく、その先の信号は青に変わったところ… 私が「バスは少し遅れているけれど、これで定刻に回復しそうだ」と思いながら「◎◎停、通過…」と言い掛けた時! 地面から一人のお婆さんが生えてきたのである。

否、植え込みの陰でしゃがんでいたお婆さんが立ち上がったのである。驚いた私は慌ててやや強めのブレーキを踏み、バス停を扉二枚分ほど通過したところで止まった。その分、お婆さんの乗車に時間がかかってしまい、信号は赤に… 定刻への回復はお預けとなってしまった。

また、あるバス停では7~8人の乗客が待っていて… 先頭のお婆さんがフリーパス(ICカード)を「ピッ」とタッチ、さらにバッグの中に手を入れてゴソゴソやりながら、後ろのお爺さんに「お爺さん、先に行って座っとりゃ~」と言ったので、私は「あぁ、お爺さんのフリーパスを、お婆さんが持っているんだ」と思った。

しかし、お爺さんがお婆さんの後ろでモタモタしていたので、再びお婆さんが「お爺さん、早よ座りゃ~て!」と言ったところ… お爺さんがバスから降りようとした(バス停のベンチに座ろうとした!?)ので、慌てたお婆さんは「お爺さん、こっちこっち!」と腕を引っ張って車内に誘導… 並んでいた何人かがクスクスと笑っていたのだが、その時、私は“認知症の母”を思い浮かべていた…