現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

『名古屋叢書』 第15巻 文学編

2018-09-02 09:45:41 | 虚無僧日記

『名古屋叢書』 第15巻 文学編 P218

「葉至茂里」 「俳諧 橋守 第一」

山本荷〇の撰 元禄10年(1697) 京都の井筒屋から上梓

(山本荷〇は 芭蕉を批判し、芭蕉門下から排斥された俳人)

巻第四 に 尺八の句

 「 尺八の下手は ねふたし かんこ鳥」

 

P244 「俳諧古渡集」 秋陽堂冬央が享保18年に撰集。

「門松や 迷途の旅の一里塚」 作者不知

 

一休の逸話として名高いこの句が「作者知らず」となって

いることが不思議。


海童道道祖

2018-09-02 09:45:04 | 虚無僧って?

「海童道道祖」については海」「尺八修理工房・幻海」氏の
HPに紹介されていましたので、転記させていただきます。

「海童道道祖」

1911年11月~1992年12月14日没。福岡県生まれ、本名は
田中賢三。元普化宗管長。

海童道開祖ほか、海童道杖、日本今様などの各種家元を兼ねる。
かなりの奇人変人であったとも、稀有の大僧正であったとも、

初め「海童道宗祖」と名乗っていたが、1972年に渡米した際に
「海童道祖」の名を贈られる。

禅・哲学の思想を取り入れた古典的あるいは前衛的な考えは、
古今東西を問わず多くの芸術家・音楽家、まったく尺八を
知らないような一般人にまで大きな影響を与えた(※1)。

しかし、極端に取材や写真を取られたりするのを嫌い、
その音や考えは わずかに残るレコードやCDなどからしか
うかがい知れない。

海童道において、尺八は法竹(ホッチク)または定具(吹定道具)、
道具(物に執着しない為の名)と呼ばれ、楽理は哲理または道理と
呼ばれ、音楽論というよりは宗教論・思想論に近い。

使用している楽器(法竹)は、物干し竿に使用していたような竹を
無造作に切って、子供が孔を開けたものと解説されている。
(ただし、彼の弟子の横山勝也はかなり尺八をいじくり回す人
だったので、師匠である海童道祖もいじくり回していた可能性は
ある)。

演奏のことは、吹定(スイジョウ)といわれ、直(ジキ)・合(アイ)・
切(キリ)・中(チュウ)・回(カイ)・刻(コク)・複息(マタイキ)
などの呼吸法を複雑に組み合わせて奏される。


注※1 武満徹やジョン・ケージにも影響を与え、のちに世界中に
    尺八を知らしめる大作「ノヴェンバー・ステップス」創作の
    遠因にもなった。