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現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

ジョン海山ネプチューン氏のドキュメンタリー映画に

2019-09-07 08:40:20 | 筝尺八演奏家

ジョン海ネプチューン氏の息子のデビット・ネプチューンが 海山氏の

ドキュメンタリー映画を制作し、このほど東京で上映されることとなった。

 

もう2年も前、ネプチューン氏から電話があり、「牧原さんは私の尺八を

使っている尺八家として、取材させてほしい」とのこと。

名古屋で虚無僧のシーンとインタビューを撮影。

 

かつて1986年、NHKkのビデオコンテストで、ネプチューン氏を

撮った私のビデオが「ドキュメンタリー優秀賞」を受賞した。

当時は、「外国人が尺八」というのは大変珍しく、奇異の目でみられて

いた。あれから30年。その当時私が撮ったビデオの映像も

今回の映画で一部使われています。

 

次の一文は 過去に書いた記事、再掲。

私が尺八を始めた50年前、「尺八は外国人には理解できない。
不器用な彼等には吹けるはずがない」と言われていたが、
30年前、ジョン海山ネプチューンの出現で一変した。

私が吹く『鹿の遠音』『鶴の巣篭もり』『下り葉』などは、
実はネプチューンの受け売りだ。尺八もネプチューンの
「スーパー尺八」を使っている。

さらに、You-Tubeを見れば、アメリカ人やその他の外国人に
よって、もっと前衛的で禅的な奏法の「本曲」がさかんに
アップされている。

一方、中国(台湾)人の文松章簫の尺八は、形は尺八だが、指孔
が異なり、ツの中メリ(E)を加えた中国音階で、演奏技術も
すばらしい。日本人顔負けなのだ。

これら外国人が吹く尺八は、日本人とはひと味違う。こうして、
本家本元とは違う尺八がどんどん生まれてきている。

これって仏教の伝播と同じではないかと思う。尺八はどんどん
変化していってよい。その時代、国民、民族に受け入れられる
ことによって存続していくのだ。


アメリカ人の尺八家、ジョン海山ネプチューン

2019-09-07 08:39:25 | 筝尺八演奏家

私の尺八の師は、アメリカ人のジョン海山ネプチューン。
私が使っている尺八もネプチューンが作ったもの、と
言うと、「なに!?」「なぁんだ」と驚きあきれ、軽蔑され
る尺八家もいる。

今や、柔道も相撲も尺八界も外国人に席捲されている。
くやしいけれど、ネプチューンは尺八界の救世主だ。
尺八界は伝統と型にはまって、世の中から取り残され、
風前の灯にあった。

ネプチューンは、カリフォルニアの出身。ハワイ大学で
尺八を聞き、日本にやってきた。尺八を習うなら京都かと、
京都で都山流に入門した。しかし、「尺八という楽器は
すばらしいのに、尺八の曲はつまらない」と、自分で
猛練習に励み、独自の奏法を開発。オリジナル曲の
レコードは芸術祭レコード部門大賞に輝いた。しかし、
「外国人が芸術祭大賞?けしからん」と、日本の尺八家は
彼に冷たかった。

いち早く彼に教えを請うたのは、私含めて数人。私は
彼から、日本人には無い発想と、テクニックを教わった。

彼が次々と出すオリジナル曲のアルバムは、世界で売られ、
尺八を習いたいという外国人が日本に来るようになった。
するとネプチューンは忙しいので、私を紹介してくれる。
外人嫌いで英語が全くダメな私だったが、彼のおかげで、
たくさんの外国人と知り合い、視野が広がった。

あれから30年、今や第2、第3世代の尺八家が現われ、
技術の進歩もめざましい。私など、もうとても付いていけ
ない。今はネプチューンの真似事で食べさせてもらって
いるようなものである。

先日行われた「国際尺八フェスティバル」で、ネプチューン
は、尺八で和音(ドミソ、シレソ、ドファラ)を尺八で鳴らして
みせたという。どこまでも超人だ。