現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

5孔にこだわる三本会

2021-05-23 18:28:21 | 虚無僧日記

さて、これからは尺八の主流は7孔になるかと思われたのですが、

琴古流の青木鈴慕、海童道の横山勝也、都山流の山本邦山といった伝統流派を守る第一人者たちは、頑強に従来の5孔尺八で貫き通しました。

鹿の遠音(青木鈴慕・横山勝也)/Shika No Tohne(Aoki Reibo&Yokoyama Katsuya ) - YouTube 

    左 : 青木鈴慕           右 : 横山勝也

初代 山本邦山 | 日本コロムビアオフィシャルサイト

山本邦山は5孔でジャズもみごとに吹く。

この三人は、日本音楽集団が結成された昭和39年、それに対抗するかの如く、「尺八三本会」を立ち上げ、現代曲にも果敢に挑戦。毎年すばらしい成果を発表していきました。

これぞ尺八ならではの魅力。それにしびれて尺八を始めた人も多く、5孔は根強く残りました。

しかし、彼らプロは血の出るような努力と研鑽の結果吹けるのであって、素人尺八家は到底及ばない。それほどの努力に費やす時間も無いならば、7孔を使えばいともカンタンに吹ける。プロの演奏に近づけられる。ならば7孔を使えばいいのにと私は思うのですが、なぜか素人でも5孔で挑戦することに生き甲斐を感じている人が多いようです。もひとつは「7孔は難しい。吹けない」という思い込みがあるようです。

 


多孔尺八

2021-05-23 17:58:37 | 虚無僧日記

昭和40年前後、宮田耕八朗、村岡実、米谷威和夫らが7孔尺八で大活躍しました。

赤とんぼ(尺八:宮田耕八朗・箏:野坂恵子) - YouTube

宮田耕八朗は日本音楽集団の中心メンバーとなり、長澤勝俊など洋楽系の作曲家によって作曲された曲をフルートの如く正確に吹き、尺八界に新風を巻き起こしました。多孔に難色を示す横山勝也は、日本音楽集団を脱会。以後三橋貴風はじめ、日本音楽集団に参加した若手尺八家はほとんどみな7孔尺八を使用しました。

画像5 - 第16回「音の匠」は、尺八奏者・三橋貴風さん - 塩ビ管を使った合成樹脂尺八「NOBLE管」の開発を讃えて - Phile-web三橋貴風先生使用管 | 梵竹

3.邦楽合奏のための『空(くう)』(福嶋頼秀作曲) 日本音楽集団 第214回定期演奏会「5人の作曲家、5つの新作。」 - YouTube

村岡実は美空ひばりの「柔ら」を始め、演歌、歌謡曲3,000曲の尺八伴奏を務め、独自の演歌尺八を築きました。

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米谷威和夫は、なんと民謡の伴奏に7孔を使用。「会津磐梯山」など大正・昭和に作曲された新民謡には7孔が適していました。

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ドレミファソラシドの7音階にさらに転調して♭#の音でフォルテを要求される曲には7孔尺八が超便利ということです。

 

かくして、昭和40年代はプロの半数が7孔尺八を使用し、これからは尺八は7孔全盛になるかと思われたのですが…


尺八の手孔の変遷 6→5→7

2021-05-23 17:20:29 | 虚無僧日記

正倉院の尺八は、手孔が 前面に5、裏に1つの 6孔でした。筒音からドレミファソラシドになっています。裏の孔と孔を全部ふさいだ筒音は半音違います。

それが中世・室町時代になると 前に4 裏に1 の5孔となります。

中世の民謡は 追分節のように田舎節 ファとシがない4・7(ヨナ)抜き音階でしたから、必要のない音が消去され 5孔で十分になったのでしょう。

第2孔からドレミソラになります。

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ところが、三味線が入ってきて ミファラシドの地唄や筝曲と合わせるには、半音が出ないと吹けません。それで、尺八も1尺8寸と長くなり、手孔も大きくして、手孔を少しかざしたり、2/3ふさいで半音を出すようになりました。

そのまま現代まで5孔尺八が本流となっていますが、

5孔では、メリ音は音量が小さく、暗い感じになります。筝や三味線では半音も大きく出せますので、尺八でそのようにしっかり大きな音を出すのは難しい。それですでに大正時代に 小孔を増やすことが考案されていました。

なんと古典の大家、神如童師は、7孔や9孔尺八を制作し、昭和5年には 7孔尺八で、地唄の「四季の眺め」と「浮舟」を舞台で披露しています。

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