喫茶去

徒然に、日々の生活を書き留めたいと思います。喫茶去、まあ、お茶でも飲んで、のんびりしていって。

「受胎告知」

2007-04-29 | 美術館・博物館



「消しゴムはんこ」教室が終わって、
日本で初公開の
レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」を観て来ました。

東京国立博物館の本館特別5室(通称特5)という
かって「モナリザ」やドラクロワの「民衆を導く自由の女神」、

「ツタンカーメン」など世界の至宝を飾ってきた歴史的場所に
、この一点が展示されています。

「受胎告知」は20代初めの
ダ・ヴィンチが描いたデビュー作だそうです。

新約聖書の
ルカによる福音書」の第1章に書かれている
エピソードを題材に描かれています。
多くの画家が「受胎告知」を描いています。

御使(天使)ガブリエルが、ナザレというガリラヤの町のマリアに、
「聖霊によってイエスを身ごもった」ことを告げている。
処女であるマリアは挙げた左手に一瞬の戸惑いを表すが、
マリアは取り乱すことなく
Let it be to me according to your word」と
そのお告げを静粛に落着いて受け入れる。
といった場面。

しみ一つない透き通るような肌。
すご~く美しい気品のある顔。
さすが聖母です。



ガブリエルも真剣なまなざしでマリアを見すえ、告げている。
チョッと怖いぐらいです。



ビートルズの‘Let It Be’(なすがままに)は、
このお告げが下った時のマリアの受諾に由来するのだそうです。

遠景(ぼやけている)の最も高い山は
イエスの象徴であるとの解釈もされている。
ガブリエルが左手に持っている白ユリは
マリアの純潔を暗示している。

この絵画のみどころ
①レオナルドが10代を過ごしたと言われる
 ヴェロッキオの工房での模写修行の名残が、
 マリアの前にある書見台に表れている。
②シンメトリー(左右均衡)の構図
③遠近法を駆使
④植物描写の正確さ
⑤立体描写の卓越した
  技量(着衣の下に身体があることを実感できる)

67年にわたる彼の生涯で、
絵画作品はわずか十数点しか現存していないそうで、
その中でも完成品はこの
受胎告知」と「最後の晩餐」の2点だけだそうです。
完成品が少ないのは、
熟考して筆を進める完璧主義なところに原因があったようです。

結局このデビュー作を超える
大きなタブロ、
壁画や天井画に対してカンバスや板に描かれた
完成した絵画のこと、を残すことができませんでした。

しかし、絵画だけにとどまらず、
天文学、物理学、解剖学、建築学など
多彩な分野に関心を広げ、
「手稿」と呼ばれる素描やメモを、
約8000ページ(かなりの数が失われたとされる中)も
書き残しています。

‘万能の天才’と言われるゆえんですね。

幼い頃に引き離された母親への愛は根が深く、
作品も母性への渇望が
如実に表れているのだそうですが・・・・・・・・・?
生涯を独身で通したのは
それが原因?

ところで「ダ・ヴィンチ」とは
「ヴィンチ村出身」という意味
知ってましたか。




コメント
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