「消しゴムはんこ」教室が終わって、
日本で初公開の
レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」を観て来ました。
東京国立博物館の本館特別5室(通称特5)という
かって「モナリザ」やドラクロワの「民衆を導く自由の女神」、
「ツタンカーメン」など世界の至宝を飾ってきた歴史的場所に
、この一点が展示されています。
「受胎告知」は20代初めの
ダ・ヴィンチが描いたデビュー作だそうです。
新約聖書の
「ルカによる福音書」の第1章に書かれている
エピソードを題材に描かれています。
多くの画家が「受胎告知」を描いています。
御使(天使)ガブリエルが、ナザレというガリラヤの町のマリアに、
「聖霊によってイエスを身ごもった」ことを告げている。
処女であるマリアは挙げた左手に一瞬の戸惑いを表すが、
マリアは取り乱すことなく
「Let it be to me according to your word」と
そのお告げを静粛に落着いて受け入れる。
といった場面。
しみ一つない透き通るような肌。
すご~く美しい気品のある顔。
さすが聖母です。
ガブリエルも真剣なまなざしでマリアを見すえ、告げている。
チョッと怖いぐらいです。
ビートルズの‘Let It Be’(なすがままに)は、
このお告げが下った時のマリアの受諾に由来するのだそうです。
遠景(ぼやけている)の最も高い山は
主イエスの象徴であるとの解釈もされている。
ガブリエルが左手に持っている白ユリは
マリアの純潔を暗示している。
この絵画のみどころは
①レオナルドが10代を過ごしたと言われる
ヴェロッキオの工房での模写修行の名残が、
マリアの前にある書見台に表れている。
②シンメトリー(左右均衡)の構図
③遠近法を駆使
④植物描写の正確さ
⑤立体描写の卓越した
技量(着衣の下に身体があることを実感できる)
67年にわたる彼の生涯で、
絵画作品はわずか十数点しか現存していないそうで、
その中でも完成品はこの
「受胎告知」と「最後の晩餐」の2点だけだそうです。
完成品が少ないのは、
熟考して筆を進める完璧主義なところに原因があったようです。
結局このデビュー作を超える
大きなタブロ、
壁画や天井画に対してカンバスや板に描かれた
完成した絵画のこと、を残すことができませんでした。
しかし、絵画だけにとどまらず、
天文学、物理学、解剖学、建築学など
多彩な分野に関心を広げ、
「手稿」と呼ばれる素描やメモを、
約8000ページ(かなりの数が失われたとされる中)も
書き残しています。
‘万能の天才’と言われるゆえんですね。
幼い頃に引き離された母親への愛は根が深く、
作品も母性への渇望が
如実に表れているのだそうですが・・・・・・・・・?
生涯を独身で通したのはそれが原因?
ところで「ダ・ヴィンチ」とは
「ヴィンチ村出身」という意味
知ってましたか。