今日一日、本を読んで過ごした。
やっと、読み終わった。
画家ゴッホの弟テオの生涯に光を当てた初めての伝記。
テオは画商として、兄ゴッホの絵が売れるよう努力したり、
経済的にも、精神的にもゴッホを支え続けた。
ゴッホも手紙の中で「芸術家に金を提供することによって、
きみ自身が芸術作品を制作しているのだということ・・・・・・・」
「ぼくを介してきみもまた、確かな絵の制作にかかわってきたのだ」
また「ぼくらの絵」「ぼくらの作品」と何度も書いている。
1890年、ゴッホはピストル自殺をする。
テオはゴッホの絵を世に出そうと奔走するが、
ゴッホの後を追うように、半年後にこの世を去る。
テオの意志は妻のヨハンナや
息子ヴィンセント(ゴッホと同じ名前をつけられる)に引き継がれる。
ヨハンナは胸によみがえる夫への愛に突き動かされ、
ゴッホの作品が世に知られるように大きな展覧会を開いた。
ヴィンセントは所有する作品の大部分を
ゴッホの出身地オランダに譲渡。
それによって、画家ゴッホは自分の美術館を持った。
こうして、画家ゴッホの名声は世界的なものとなった。
本の帯の
「兄ヴィンセットは弟テオなくして、
画家ヴァン・ゴッホたりえたか?」
本を読み終えて、この答えは「NO!」
私はゴッホの迫力のある情熱的な絵が好きです。
ゴッホの絵を観るたびに、
ゴッホを支えた弟のテオや、
作品が世に知られるように努力したテオの妻や息子のことを
思い出さずにはいられないと思う。
「テオもうひとりのゴッホ」
著者:マリー=アンジェリーク・オザンヌ、フレデリック・ド・ジョード
訳者:伊勢英子、伊勢京子
出版社:平凡社