喫茶去

徒然に、日々の生活を書き留めたいと思います。喫茶去、まあ、お茶でも飲んで、のんびりしていって。

香薬師像の右手

2016-12-02 | 読後感

5年前、新薬師寺には行ったことがあるのだけど、
香薬師像の盗難のことは全く知らなかった。

薬師如来が薬壺を持つようになったのは平安時代以降だそうで、
この香薬師像は飛鳥後期の白鳳時代に造られ、
左手に薬壺を手にした日本で初めての薬師如来像ではないかと。
超国宝級の仏像だったらしい。



この仏像、明治23年、44年、昭和18年と3回盗難にあって、
1回目は右手が切断された状態で発見され、
2回目はつながれた右手が再び落とされ、
両足は足首から切断された状態で、
身体と右手は発見されたが、両足は見つからないまま。
3回目は未だに行方不明。

2回目発見後、右手、両足が新たにつけられていて、
切断された本物の手は寺に保管されていたようだが、
その後、右手も行方不明になる。

ノンフィクションライター貴田正子さんが
行方不明の香薬師像を追う取材活動を20年以上続ける中で、
昨年5月、65年ぶりに右手発見。





この本はその経緯を書いたドキュメンタリー。

貴田正子さんの執念はすごい!
「必ずお会いできる」と
これからも根気強く取材を重ねていく由書いておられる。
盗難から半世紀以上も経って、困難を極めるだろうけど、
頑張ってください!

しかし、盗まれた香薬師像はどこに消えたんだろう・・・・・
私のように知らなかった人も多いだろうから、
この本がきっかけで、見つかるといいな。





コメント
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