おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

きょうも雪、雪、雪

2011年11月22日 | Weblog

午前8時の気温は、マイナス3度。昨夜から延々と雪が降りっておりまする。もしかすると、このまま根雪になる勢い。困ったなぁ。なにせ、冬支度がまだ終了していない。参ったなぁ…

お近くのニセコグラン・ヒラフスキー場ですけど、去年は11月20日にオープンの「安全祈願祭」があったのだけれど、結局は、雪不足で12月に入ってから滑走可能でござった。

今年は、暖冬の予想もあったためでしょうか、スキー場オープンの安全祈願祭は、26日と去年より一週間の先送り。

ところがこんな調子だと、今週末の26日は、スキー場の本格オープンとなるやもしれませぬ。まことに結構。「かかってきなさい!!」と思う、パウダーフリークのおぢでござる。

そうこうしているうちに、いつも除雪をお願いしているご近所農家の重機がやってきて、どうしたもんかと困っておった家の前の雪を、ちゃっちゃと片付けてくれましたです。

そういえば、今年はまだ、きちんと除雪のお願いをしていない。なのに、雪が降れば、ちゃんと除雪に来てくれる。田舎の人は、ホンに優しいです。

おぢもいまやすっかり田舎の人ゆえ、爪の垢でも煎じて飲まんとねぇ。「心優しい田舎人」目指して、ガンバるか…

さて、きのうの「TVタックル」観ましたぁ? 判りにくいTPP、ちょいと目から鱗でござった。こと、この問題に関しての問題といえば、やはり農業。

例えば、いまニッポンでは「遺伝子組み換えしていない大豆」と表示されていて、これが食の安心につながるのだけれど、TPPによって、こういった表示がなくなる可能性があるという。

これは大問題でござる。ちゃんと表示してもらわんことには困る。そんなことは、あれこれ枚挙にいとまがないのでござる。

だから、TPPに参加するならするで、「ここはダメ」「これは認めない」などガイドラインを定めて、国内のコンセンサスを得ておればよかった。

ところが、国内の論議も何も、まるきりないままに突っ走るから、「不安だ、どうなってんだ?」となる。そんなことで、いま国論を二分する事態となっておる。

しかも、野田総理は「参加すると表明したわけではない」というし、アメリカは「参加すると捉えている」とまことに分かりにくい。それもこれも、TPPを見切り発車したための野田二枚舌なのじゃ

さらには、過日も書いたけれど、ニッポンには交渉能力ってもんがさっぱりない。あれもこれも、アメリカに押し切られるじゃないかと、誰しも心配しておる。

それにしても、TVタックル観ていて思ったけれど、ニッポンの農政って酷いです。考えてみれば、いや、考えてみなくても、食糧自給率が40%を割っておるから、自給率を上げなきゃならん。農業振興をせにゃならん。

そう叫ぶ一方で、実態はというと、作付を減らす「減反政策」を推進してきておった。これって、ブレーキをかけながら、アクセル踏んでる状態じゃ。どもこもならん。

そして、やっぱ農協が問題じゃね、悪いけど。

諸外国ではその昔から、農家は生産者であり、優れた経営者であって、尊敬を集める人気職業のひとつでござる。

我がニッポン国では、かつて、農地解放で地主となった元小作農は、「農」はもちろんプロだった。しかし、「業」(なりわい)はというと、経営というもんをしたことがなかったので、当時は彼らの農業経営に疑問符が付いた。

そんな当時は、農協に任せさえすれば、農家は経営について考えなくてよかったし、それでうまく事が運んでおった。

ところが、その後の実態はというと、農協は農家の上に君臨し、農業を牛耳るという本末転倒状態。しかもTVタックルによれば、現在農協を支えておるのは、3ちゃん農業に代表される、兼業農家だそうな。

大規模化を目指さねばならん農業が、農協によって零細な兼業農家の利益代表になっておるところ、問題なしとしませんです。

例えば、ご当地でもこんなこともありましたです。

おぢの地元で生産される「倶知安じゃが」は、東京の三越デパートでも販売されるという、押しも押されもしない「ブランドじゃが」でござる。

その地元農協が、このままでは経営が立ち行かないと、何年か前に合併し「ようてい農協」に改称いたしましたです。

これに伴って、何を勘違いしたか、すでに大ブランドとなっておる「倶知安じゃが」の名称を、勝手に「羊蹄じゃが」と、突如変更したのでござる。

そのおかげさんで、その年の「羊蹄じゃが」、チョー安値で取引されることになりましたです。いくら中身はいつもの「倶知安じゃが」と言っても、これまで聞いたことのない「羊蹄じゃが」と箱に書いてあっては、売れるはずもござりませぬ。

地元農家が、いつものように丹精して生産した高品質のジャガイモが、突如、安値になったのでござる。農協による安直な名称変更で、不利益を被った、ってことでござる。

この顛末はというと、ようは農家が損しただけ!!

ことほど左様に、こういう事態であっても、損失を被るのが農家だけというおかしなことになっておる。きのうのTVタックルでも、規模拡大を進めるTPP賛成派の農家が言っておったけれど、農協だけの独占販売状態がそもそも問題じゃ。

TPP参加によって、食の安全が脅かされるのは、大いに問題じゃ。しかし、その一方、農協に代表される閉塞したニッポン農業は、外圧でないと何も変わらんのではないかとも思いますです。

そういう意味で、TPPは「諸刃の剣」。悩ましい問題ですけど、やっぱ、国内のコンセンサスを得て進めるべきでした、と思うおぢなのでござる。