グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

水神様

2011年02月18日 | 歴史・文化
昨夜、まとまった雨が降って、沢に水音が響いていました。
昼前から晴れたので、普段は流れのない沢に行ってみました。

大島の「沢」は、ほとんど涸れ沢で、
雨の後のしばらくの間だけ水の流れができます。

見出しの写真は、近所の二番ヶ沢の流れです。

中腹のモッコク山という側火山が12世紀頃(?)噴火した時に、
そこから流れ出た溶岩がこの沢を下ったそうです。

溶岩が水の流れでスベスベ滑らかになっていて、
長い年月を感じさせてくれます。



これ↑は、差木地公民館の入り口付近に立てられている水神様の石碑です。
大正元年・・・と彫られているようです。
下の方がコンクリ-トで固められて読めないので、
どこか他の場所から移設されたものかもしれません。

大島では今のように上水道が整備される以前、
ずっと昔には、地下の伏流水が滲み出したものを溜めて汲み、
生活用水にしていました。
その場所をカー(川)と呼んでいました。
そこを大事にして神様として奉り、
スイジンサマ(水神様)、カー神様などとも言います。



こちら↑は、冒頭の二番ヶ沢にある祠(ほこら)です。
御幣が一組と、お賽銭やお神酒もささげられています。

地元に長く暮らす方は、にじゅうさんや様(二十三夜?)と呼んでいます。

木立の下の岩棚の奥で、暗かったのでフラッシュで撮ると↓こんな具合。


山中の谷筋や沢筋には、
こんな水神様の祠がいくつもあるのかもしれません。

炭焼きなどの山仕事で、昔は今より山へ入ることが多かったそうです。
そんな時は、沢の湧き水が頼りだったことでしょう。



こちら↑は、奥山の谷にある水神様です。
御幣、お神酒、お賽銭、それから榊の枝も差してありました。
お正月に奉られたものでしょうか?



余川(ヨハー)と言われるのが、ここ↑だと思います。
あるいは、この近くのはずです(汗)
奥山の入り口にあって、
昔はこの湧き水を下の集落まで引いていたこともあったそうです。



こんな水気の多い所には、
里では、あまり見られないシダ植物が見られます。
この笹の葉のようなシダ↑は、イワガネソウ。

こちら↓は、マツザカシダです。



寒い時季でも緑色がキレイなリョウメンシダ↓。



それから、水神様とは違うのかも知れませんが、
先週、「バアタゴ様」で書いた「砂ノ川」の下流沿いにあるのが、
間伏地区の祠・・・↓



宮の沢橋の近くのヒメユズリハの木立に囲まれた杜の中にあります。
『旧六ヶ村誌』にある「知恵明神」でしょうか?

このすぐ左手は、深い沢ですから、
治山治水をお祈りしたお宮かも知れません。

砂ノ浜やこの地域は、
この沢が運んだ土砂で出来ていますから、
こうして大切に奉られているのが分かります。

木造の祠の中を覗くと、小さな石の祠がありました。

(なるせ)
コメント
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