グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

テイカカズラの謎がやっと・・・。

2011年07月28日 | 植物
もう何年も前からずっと、不思議に思っていたことがあります。
それは「テイカカズラのタネってどうやって出来るのだろう?」ということ。

テイカカズラはこの日記に何度も登場していますが、こんなふうに花茎のトップにいくつもの花をつけます。


しかし実が割れてタネが出てくる時はこんな感じです。

広がって咲いていたたくさんの花がどうやってこんな細長い実になるのか、とても不思議でした。
あまりにも実の形と花のイメージが違うので…(^_^;)

この疑問はネットで調べても調べきれず、毎年テイカカズラタネがフワフワと空から舞い降りてくる季節になると「あ!今年も観察し忘れた!」と気づく…という有様でした。

だいたいテイカカズラの実って、高いところにあることが多く、目線で探してもそれほどたくさん見つかりません。
それで「今年は元町溶岩流に這い出してきたテイカカズラたちを、定期的に観察しよう!」と思っていました。

…で、今日、行ってきました。
元町溶岩流。

咲き誇っていた花は全く目につかず、葉っぱだけになっていました。


代わりにシマヘクソカズラの花が、テイカカズラによじ登って咲いていました。

ツル植物に別のツル植物が巻き付いて、分布を広げようとする光景は、見るたびに「スゴイなあ」と思います。

さて、問題のテイカカズラですが「疑問を解決するまで帰らないぞ~。」と腰を据えて観察を始めたら、「これだ!」と思うようなものが見つかりました。

細長い2本の実に成長しそうな感じのものが、枝の先についていました。

小さな方もしっかり真ん中に筋が入ってこれから分かれてきそうだし…


長く伸びた方はすでにわかれて“テイカカズラの実の子ども”という感じがしました。


「出来始めはどれだろう?」と探したら、どうやらこれがその段階みたいでした。

3本のうちの一番上の赤い粒が残っているものは、丈夫で触っても落ちませんでしたが、先端に何も付いていない緑色の線状のものは、触ったらすぐに落ちてしまいました。

良く見たら溶岩の上に、ふるい分けられた花茎が何本も落ちていました。

テイカカズラも桜やエゴノキなどと同じように、残った実を立派にするために自分で間引きをするのでしょうね。

まだ間引きされる前の段階のものも残っていました。

この中で、茎に残って実になれるのはどれなのでしょう?
これは冬まで時々通って、テイカカズラの実の成長を見届けなければ(^^)v

溶岩流の上で、テイカカズラの細長い実が裂けて、フワフワの綿毛に覆われたタネが風に舞う景色を想像したら、花の季節と同じくらい楽しみになってきました。

テイカカズラの実の成長物語、またこの日記で報告しますね。
どうぞ、お楽しみに~(^^)v

(カナ)

コメント (4)
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