グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

JTBジオパークツアー

2011年07月31日 | ツアー
一昨日、JTBジオパークツアーのガイドで三原山を歩きました。
山はそこかしこに、大きな白いユリの花が目立ちました。

三原山の山肌に刻まれた黒い溶岩流を背景に、堂々とした立ち姿です。

火山と、甘い香りを放つ大きなヤマユリやサクユリ。
まさに「三原山の夏!」という風景です(^^)v

234年前に流れ出た溶岩の、様々な形を観察。


表面が固まって中の溶岩が流れ去りチューブ状になった場所には、誰が刺したのかこのような枝が…。


「穴の深さの分だけ湿って色が変わっているから、この枝で穴の深さがわかりますね。」
なんて言いながら枝を取り出してみたら…

枝はナメクジのお気に入りの場所になっていたようでした(^_^;)

火口見学の後は、久しぶりに三原山の南西斜面を下りました。
イタドリが集まって緑のスポットをつくっていた場所で、ずいぶんススキが成長して盛り上がっていました。

この緑のモシャモシャ、何だか動き出しそうな気さえします。
昨年まではもっと平坦だったような気がするのですけど、ススキって一気に増えるのでしょうか?

きっとこのまま噴火がなければ、このモシャモシャがどんどん育って一面のススキ野原をつくっていくのでしょうね。
ということは、このモシャモシャは“キラキラススキ野原の生まれたばかりの赤ちゃん”といったところかなぁ…。

1950年~51年の溶岩流上の低木林からは、ひっきりなしにセミの声が聞こえてきます。
ジージー、カナカナカナ…。

「大島ではヒグラシが昼間から大声で鳴くのですよね。」
そんな話をしながら歩いていたら、瀕死のヒグラシが横たわっていました。

おせっかいをして近くの葉っぱにつかまらせようとしたのですが、どうやらもう、つかまる力は無いようでした(^_^;)

その他、キラキラ光る甲虫(ヒメコガネ?)の輝きに見とれたり…


葉っぱの真ん中に花が咲き実がなる“ハナイカダ”を発見して盛り上がったり…

全員で何かを見つけるたびに声を掛け合って、楽しく歩きました。

中でも一番発見が多く、冴えていたのはFちゃん(11歳)です。
全員が「なんじゃこりゃ~!?」と叫び声をあげた、Fちゃんの大発見。
これをご覧ください!

ね?「なんじゃこりゃ?」って思いませんか?
まるで運動会で恒例の“ピラミッド”の練習?…なわけないけど(^_^;)

では、4連で交尾?
雌雄同体のアメフラシじゃあるまいし~(^_^;)

ペア同士が重なるなんて不自然だから、これはやはり魅力的なメスに群がる3匹のオス…っていう光景でしょうか?

虫の正体はヨツスジハナカミキリ。
単体だとこんな虫です。

ハチに擬態して身を守り、花粉を食べるカミキリムシの仲間のようです。

下にいる仲間にガシっとつかまり、「絶対離さないぞ!」という気迫みなぎる4連のハナカミキリ達。
「いったいどれほど真剣な表情をしているの?」とふと興味がわいて、カメラだけ正面に据えて写真を撮ってみました。

そうしたら、写っていたのはこんな表情でした。

こ、これはやっぱり…
メスをめぐっての真剣勝負と言うよりも、どう見ても運動会の組み体操“ピラミッド”ですよね(^_^;)

雄大な火山の活動やたくましく生きる植物、そして真剣に生きているのにどこか笑える虫たち…

自然の中に散りばめられた驚きや不思議を、ガイドもお客様も一緒になって探して楽しめる場所が「ジオパーク」。
一昨日は「これぞまさにジオパークツアーだ~!」と思いました(^^)v

(カナ)

コメント (47)
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