グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

4つの“素敵なもの”

2012年07月17日 | ツアー
昨日のツアーのお客様は、前日まで自転車持参で島を回っていたという男性たちでした。
「地質や植物などの詳しい話を聞きたい。」というリクエストで、三原山に出かけました。

しかし三原山はまたもや霧で、視界がありませんでした。
で、またまた森~溶岩流の往復コースへ。

毎日同じコースを歩いていると、少しずつ景色が変わっていくのに気がつきます。
オオムラサキシキブの薄紫の花が、だんだん花盛りになってきました。

とうぜんのように見かけるのがこの子。
食欲旺盛のハナムグリ君です。

相変わらず、笑いながら花粉を食べまくっているような表情でかわいいです。
毎日ごちそうが増えてくるのですから、うれしいでしょうね~。

「あ!これ何ですか?』byお客様。
「何だよ!」という表情でこちらをにらんでいたのは、連日登場のゴマダラカミキリ君です。

前日のものより少し柄が濃いようなので、別個体かな?

ゴツゴツ溶岩地帯には、ガクアジサイの花が鮮やかです。
25年前は真っ黒な溶岩に覆われた地面の上に、見事な花を咲かせています。

「ガクアジサイたくましい!」by全員。

この辺りに降り積もった溶岩が、たくさん気泡を含んでいてとても壊れやすいことを観察し「ようがん」に親しんでからUターン。


帰りの樹海では、お客様がたくさん、“素敵なもの”を見つけてくれました。

素敵なもの・その1
透け感のある、かわいいキノコ。

繊細で、とてもきれいでした。

素敵なもの・その2
木の枝に広がる地衣類(たぶん)から、したたる水滴。

この光景は、初めて見ました。
キラキラの宝石が、連なっているような美しさでしたよ~。
これを見つけられる男性って、とてもロマンチストなのではないでしょうか?

素敵なもの・その3
モリゾーの皮膚。

いつも見慣れているコケの前で、お客様が「あ!これモリゾーの皮膚そのものだ!」と教えてくれたのです。お客様のスマホで見せてもらった、2005年愛知万博のキャラクター“モリゾー”のぬいぐるみの皮膚(?)は、確かにそっくりでした。上の写真に目を入れれば、そのまんま“モリゾー”のぬいぐるみです。

そうだったんだ…。
っていうことは、湿度のある樹海は”モリゾー”だらけですね(笑)


素敵なもの・その4
オオシマザクラの枝からのびている根っこ。

弱った桜の木が、幹から新しい枝をだして再生しようとしている姿は良く見かけますが、根っこを出しているのは初めて見た気がします。「これから倒れる予定だから、早めに根を出しているんじゃ?」「そうかも!」…とまあ、こんな具合に「幹から根をだした桜の謎」を楽しみました(笑)

数々の素敵な発見をしてくれたお客様は、実は海外旅行の添乗で現地ガイドが話す英語を日本語に翻訳するお仕事をされているそうです。海外の火山を歩いて「火山を勉強しなければ」と思って、大島でのツアーに参加してくださったとのこと。

その心意気、スバラシイです!
私もいろいろ教えてもらいたいです。

短い時間でしたけれど、不思議を見つける目を持ったお二人と一緒に歩いた「霧の三原山ツアー」楽しかったです。

ちなみに、樹海で私が見つけたのはこれだけでした。

「ホタルガって、枯れ葉の上に降りるとかなり保護色なんだ。」って、突然気がつきました。
いつも葉の上で目立っている姿ばかり見ていたのですが、けっこう枯れ葉の上で時を過ごすホタルガも多いのかもしれませんね。

(カナ)
コメント
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