日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

企業の責任

2009-10-29 13:29:30 | CMウォッチ
だいぶ秋の気配を感じるこの頃、先日テレビを見ていたら「今年もやっているのか・・・」と、思ったテレビCMがあった。
それは、パナソニック(旧松下電器)の「FF式石油温風機」回収ご協力お願いのテレビCMだ。

ご存知の方も多いと思うのだが、このテレビCMが始まるキッカケとなったのは、一酸化中毒による死亡事故だっだ(紹介記事はtachOn日経BP)。
その後、パロマやリンナイなどのガス器具メーカーのガス器具の死亡事故が、相次いで発覚をし、世間から注目を浴びることとなった。

松下電器は、事故直後対策チームを立ち上げ、新聞やテレビなどの媒体だけではなく戸別チラシを配布するなどして、商品回収を始めた。
これまでは新聞やテレビなどで注意喚起をし、回収を進めるという方法が取られていただけだったのだが、FF式温風暖房機が設置されているとは思えないような地域、集合住宅などにも注意喚起と回収のチラシを配布したのだった。
当然、我が家にもこのチラシが入ったのだが、このとき「何もここまでしなくても・・・」と思ったのも正直なトコロだった。
何故なら、このFF式温風暖房機は寒冷地が主な販売先地域であったこと、設置にはそれなりの工事が必要だったからだ。
我が家がある名古屋の集合住宅では、まず使用しているはずがない!と、思われるのにも関わらず、全国戸別チラシ配布を実施したコトに、「企業としての責任」の受け止め方の重さを感じたのだった。

この事件が起きたのが、2005年のことだったから、それから4年となろうとしている。
既に、対象となった暖房機が回収されていると思うし、今現在までに回収できていないモノがあるとすれば、既に廃棄処分されているのでは?と、思うのだが、今年も昨年と同じ様に回収ご協力のお願いをテレビCMとして流しているのだ。

そのようなコトを考えると、多くの人にとっては記憶の彼方になってしまった事故器具であっても、最後の最後まで回収に努めるというパナソニックの姿に、「企業としての責任の重さ」を改めて思ってしまうのだった。