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厳しい現実-増える財政破綻自治体-

2009-10-02 19:56:52 | アラカルト
日経新聞のWEBサイトに、財政破綻・懸念は22市町村、再建計画策定へ 08年度決算と言う記事が掲載されている。

夕張市の財政破綻によって、「自治体でも財政破綻(=倒産)する事があるんだ・・・」と言う事実を知った方も、多いのではないだろうか?
私などもその一人だった。
そして「自治体の財政破綻=要らないハコモノ行政+補助金漬け」と言う背景も、見えてきた。
確かに、財政破綻が懸念される自治体のいくつかは、地元以外の人から見ると「何で、こんなモノ造ったかな???」と言うモノが多い。
その原因となるモノを探っていくと、「人の誘致」が目的だったように感じる。
それが時には「道路」であったり、訳の分らない「ハコモノ」だったりと言うコトだ。

もっと掘り下げて考えると、都市部と過疎と言う二極化というコトになるのかもしれない。
地方は農業や林業、水産業などの「第一次産業」ぐらいしかなく、若い人たちはどんどん都市部へと流出していき、地方は高齢者世帯が中心となり、その若者を呼び戻すために、手っ取り早い方法として「とりあえず、道路やハコモノ」と言う発想になってしまったのではないだろうか?

しかしその「手っ取り早い方法」が、逆に地方財政を苦しめる結果となってしまった、と言うコトのような気がするのだ。
だからと言って、簡単に批判する気にはなれない。
何故なら、国も地方も、そして企業も「手っ取り早い方法」だけしか、考えてこなかったような気がするからだ。
言い換えるなら、私たち生活者も「手っ取り早い方法」を、良しとしてきたのではないだろうか?と、最近感じるようになってきたからだ。

確かに都会は、交通だけではなく様々な面で「便利」だ。
「便利=快適」という価値観が、優先されてきたのも事実だろう。
何よりも都会には「新しいモノ・コト」が、集中し、常に刺激に溢れている。
それもまた都会の魅力だからだ。
当然、その魅力に引き寄せられるように、人が集まり、情報が集まり、お金が集まる。
その繰り返しで、都会は大きくなってきたとも言える。
その代表例が、東京と言うことになるのだろう。

だからこそ、地方は「ミニ東京化」を目指し、自分たちの本来持っていたはずのポテンシャルを忘れてしまったのかも知れない。
その東京も、雲行きが怪しいような気がしてきた。
と言うのも、東京が持っていたはずの「発信力・受信力」が低下し始めたような気がする時があるからだ。
それぞれにあったはずの個性的で魅力的な地区が、激減し始めているように感じるためだ。

財政破綻によって、その地方で生活する人たちは様々な不便さを強いられる事となる。
だが、それは「明日の自分たち」の姿かも知れない・・・そんな気がするのだ。