新聞各社が、「ブラジルのデモ」を取り上げている。
その記事を読んで「アレ?」と、感じたコトがある。
それは「W杯に対する反対」という内容の記事だったからだ。
中日新聞: 「W杯反対デモに20万人 ブラジル」
ブラジルと言えば、過去のW杯出場・唯一「皆勤賞」という程の、サッカー王国。
いくら欧州のクラブチームが世界を制覇しても、国別となると圧倒的な強さを誇っているのが、ブラジルだ。
当然、ブラジルの人達も大のサッカー好き!だと思いきや・・・決してそうでもないようなのだ。
この記事をよく読むと判るのは、ブラジルの食品などを中心としたインフレによる高騰があり、W杯開催の為に使われる国費が、無駄遣いであると言う考えもある様だ。
確かにW杯を開催するに当たっては、FIFAの厳しい(?)様々な条件をのむ必要がある。
例えば、スタジアムなどに関しては、最低収容人数やスタジアムの設備などについても、厳しい条件が付けられている、と聞いている。
10年余り前の、日韓大会でも開催希望をしたが、FIFAからの開催スタジアムの条件の建設ができず、断念をした自治体もあった。
その様なニュースを聞いた時、「サッカーよりも野球ファンの多い日本では、仕方無い」と、ある意味当然の結論、という受け止め方をしていた。
しかし、同じようなコトがブラジルで起きるとは思っても見なかった。
それほど、「ブラジルのスポーツ=サッカー」というイメージが定着しており、ある程度サッカーのことであれば、国民からは暗黙の了解の様に、渋々ではあっても認められるのでは?と言う、思い込みのようなものがあった。
現実は、サッカーよりも(当たり前と言えば当たり前なのだが)日々の生活のほうが重要で、日々の生活を犠牲にしてまでサッカーに熱狂はできない、と言うコトだろう。
もう一つ感じたコトは、ここ数年盛んに言われてきた「BIRCs」にも勢いがなくなりつつある、と言うコトだ。
既に中国などは、経済成長と言う部分で陰りが見え始めた、と言われ始めている。
ブラジルもその例外では無い、と言うコトだろう。
実際、新たに投資先として挙げられるようになったのは、アフリカ諸国だ。
「思い込み」というコトは、様々な発想や想像の視野を狭めてしまう。
ところが、この「思い込み」というのは、経験や知識が豊富になればなるほど、無意識になってしまう。
ブラジルW杯は、サッカー王国の威信をかけ成功させる、と思う。
ただ、今回のようなデモが起きるコトを考えると、「ブラジル=サッカー」という程単純では無く、ブラジル国内にも、様々な社会的な考えがあるのだ・・・と気づかされた。