ネットニュースで、面白い調査内容がアップされていた。
山陰中央新聞:「よそ者を排除」「メンツを重視」!? 島根県が「寛容性ランキング」で最下位に その理由とは
拙ブログに来られる方はご存じだと思うのだが、私の実家があるのは鳥取県米子市。
父の実家があるのは、島根県出雲市だ。
山陰にゆかりがある、ということになる。
ただ、私の場合父が転勤族であったため、山陰(鳥取県西部)で過ごしたのは高校時代だけだ。
その経験から、この記事を読むと「地元の人が感じている」ことと、「他所から来た人との感覚」は随分違うのでは?ということだ。
というのも、高校時代「いつまでたってもよそ者」という感覚が、抜ける事がなかったからだ。
実際、米子市内にある企業の多くは地元企業であり、「支社・支店」がとても少ないように感じている。
もちろん、米子に支社や支店を出しても、収益的な見込みがないという判断がされている可能性は高い。
ANAホテルやワシントンホテル、と言った全国展開をしているホテル企業は確かにあるのだが、かつてあったはずの都市銀行や旅行会社の支店等はいつの間にか撤退している。
それだけ、地元財界の力が強いということなのかもしれないのだが、逆に地元財界の力が強いがために、よそ者から見ると新規参入やIT系産業を受け入れにくいビジネス環境を創り出しているように感じるのだ。
それに対して、島根県の中心地である松江は「(旧松平の御殿様がいた)プライドの高さ」はあるものの、観光地という側面を持っていることから、旅行者等に対しての受け入れはしっかり根付いているように感じる。
もちろん、実際に生活をしてみると、なかなか大変な「人付き合い」を実感することにはなるのだが、その部分において鳥取県西部との差はさほどないような気がするのだ。
逆にコンピューター言語のひとつであるRubyの開発者・まつもとゆきひろさんは、鳥取県内でも1、2位の米子東高の出身だ。
社会人生活のスタートはトヨタ系企業だったようだが、山陰にUターンするというのであれば、米子市が優位であったのでは?と考えるのだが、現在は松江市在住だ。
逆に松江市では、教育指導要領にプログラミングが含まれる前から、市内の小中学校でRubyによるプログラミング授業に取り組んでいる。
他にも、島根県邑南町のように町おこしとして、地元の食材をいかす「A級グルメ」という事業を企画したり、隠岐の島でも同様にIターン者を受け入れる事で地域の活性化をしているところもある。
そう考えてみると、生まれも育ちも地元という人と、よそ者として住んでいる人との感覚は、随分違うのでは?という、ことなのだ。
「内・外」という違う両方の視点で、地域を見る事で、その地域の良さや問題点見えてくるのではないだろうか?
因みに、現在住んでいる名古屋は、名古屋出身の作家・清水義範さんの「蕎麦ときしめん」に描かれている通り、東京・大阪に対してどこか卑屈なところがあるのに、地方出身者にはマウントを取る傾向があるように感じている。