「エルネスト・カイヴァーノ展/オノデラユキ展」他 清澄(小山登美夫ギャラリー他)

小山登美夫ギャラリー江東区清澄1-3-2 7階・6階)
「ヨナタン・メーゼ展/エルネスト・カイヴァーノ展」
9/5-10/3



7階のメインスペースでは、幼少期、自身の日本におけるヒーローだという三島由紀夫のイメージを借りたドイツ人、ヨナタンメーゼのインスタレーションを紹介している。EVを降りてすぐに開けてくる景色は、まさに何でもありそのもの。壁面にはそのまま書きなぐったようなペイントが施され、三島の写真が時にヒトラーのそれと合わされながらコラージュされて次々と登場する。結論からすると全く馴染めない。一方での6階では、鳥や花々、それに樹木を精緻に描くエネルスト・カイヴァーノのドローイングを20点ほど展示している。こちらはなかなか魅力あり。宙に岩の浮かぶマグリット風の描写があったかと思うと、作家自身がPhilaporeと呼ぶ鳥を持った女性などが登場する。シュールな絵本を読むかのような味わいがあった。

ヒロミヨシイ江東区清澄1-3-2 6階)
「ジョシュ・スミス展」
9/5-10/3



1976年生まれで、ニューヨークで活動をするジョシュ・スミスの絵画がずらりと並ぶ展覧会。キャンバスに縦横無尽に走るストロークは、どこかアクション・ペインティング風。形よりも、そのダイナミックな動きに目を向けるべき作品なのかもしれない。難解。

KIDO Press,Inc.江東区清澄1-3-2 6階)
「オノデラユキ - 古着のポートレート」



オノデラユキの初めてとなる銅版画の展覧会。タイトルの如く古着がポートレート風に捉えられて並んでいる。(5点。)版画の形態をとることで、通常の写真よりもむしろ質感に重さが加わるのかと思いきや、まるでテンペラ画を見ているような軽妙さが感じられた。一見、寡黙にあるように見えながらも、古着がこれまでに蓄積してきた『物語』を連想させるような雄弁な作品でもある。

タカイシイギャラリー江東区清澄1-3-2 5階)
「エルムグリーン&ドラッグセット - SUPERMODELS」
9/5-10/3

ロンドン、及びベルリンを拠点に活動するアーティストの二人展。ともかく目を引くのは、展示室の随所にまさにモデルの如く立ち並ぶ白い「SUPERMODEL」群。まるでアルプの彫刻かのように、曲線、そして球体をくねらせて何体も登場する。また彼ら彼女らに着せられた服は、ファッションデザイナーによるものだそう。会場の雰囲気はいつになく華やかだった。さながら舞踏会だ。

シュウゴアーツ江東区清澄1-3-2 5階)
「米田知子展」
9/5-10/3

今回の清澄訪問の目的はこれ。うかつにも原美の個展を見逃した私にとっては、久々に米田の写真作品と出会えただけでも満足出来た。別途記事にする予定。
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