◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

言葉から浮かぶ光景、「波紋が広がる」。

2007-04-10 11:33:29 | 気になる言葉、具体例
 昨日の続き。舌鼓(したつづみ)、鼓なんてなかなか見ないからなぁ~、それはそうですが、音楽か歴史か、何かの授業で、あるいはテレビで、また、伝統芸能に触れる機会に鼓を一度や二度は見て、鼓(つづみ)という楽器があるということを日本人なら認識するでしょう。だったら「舌鼓」は「したつづみ」、「腹鼓」は「はらつづみ」のままでいいはずです。つまり、「したずつみ」のように、時代とともに言葉は変化するものだという言い方が当てはまらない現象もあるということです。
 時代に合った変化と誤りは違うので、区別して、直せるものは直したいと思うのですが、直すことは不可能なのでしょうか。不可能だから、結局、変わってしまうのでしょうか。でも、「パソコンを立ち上げる」のように、文法に誤りがあっても、その時代のニーズから生まれ、合理性があるものは、早く広く人々に受け入れられて定着します。そのことに異を唱えるつもりは全くありませんよ。合理性も何もないのに、誤りだと気づかなくてそのままになってしまう、繰り返し聞かされて慣れてしまい、正しい言葉を忘れ、「悪貨は良貨を駆逐する」という結果になってしまうのが困るのです。
 さて、「波紋が広がる」を積極的な表現にするとどうなるか。「波紋を広げる」ですか? 「波紋を呼ぶ」ですか? でも、波紋って、呼ぶものでしょうか。「一石を投ずる」を忘れていませんか。水に石を投げて初めて波紋が広がるのですから、石を投げもしないで波紋を呼ぶというのはどういうことを表現しているのでしょうか。

 ところで、テレビ番組「でぶや」を見ていたら、岐阜のお店で「いぶり豆腐」というのが出てきましたが、能登の柳田村(やなぎだむら)にもありますよ。畑のチーズといって、夢一輪館(ゆめいちりんかん)というそば屋で食べたことがあります。そのお店は、能登空港から車で15分ほど、珠洲(すず)道路を珠洲方向へ走り、道の駅 桜峠を過ぎて少し行った左手の道に入っていきます。揚げ浜式塩田のにがりを使った柳田村の豆腐を能都町(のとまち)の「いしり(イカの魚醤)」で調味し、能登木炭と桜材で20時間かけて燻製にしたものだそうです。一度ご賞味あれ。
コメント
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