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アール・ブリュット展では会場での展示の他にも商店街での展示「まちなか Art Brut」も開催され、「アートインナガハマ」と共に街はアートに染まります。
残念ながら今年は新型コロナの影響で「アートインナガハマ」が中止となっれしまいましたが、「湖北アール・ブリュット展」は無事開催。
夏の十里街道生活工芸館テオリアでの開催に続いて、11月の曳山博物館と2度の開催となり、湖北で馴染み深いアーティストの作品が展示されました。
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武友 義樹さん(粘土)と三橋真巳さん(クラフトテープ)のコラボ作品は、棒状に丸めたクラフトテープとプリミティブで力強い粘土の壺のコラボは感性を刺戟される。
武友 義樹さんの作品を見るのは今年3回目で、夏の「湖北アール・ブリュット展(テオリア)」・ボーダレス・アートミュージアムNO-MA美術館の芸術祭「ちかくのまち」と公開が続く。
特に「ちかくのまち」ではNO-MA美術館での展示は元より、西の湖の湿地帯での屋外展示で古代の原風景のような展示が素晴らしかった。
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武友 義樹さん&三橋真巳さんのコラボレーション
片山みづほさんの「おじぞうさん」も湖北で馴染み深い作家さんです。
手を合わせた粘土人形は素朴な作品ですが、それぞれ顔の表情が違い、やさしい気持ちにさせてくれる作品だと思います。
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片山みづほさん「おじぞうさん」
吉井裕介さんのカッパシリーズは毎回楽しみな作品です。
粘土で造ったカッパの集団ですが、何か思いついたものに見立てて造ったカッパ達には思わず笑いを誘われるような面白さがあります。
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「ゾウカッパ」
「ゾウカッパ」はなんでまたカッパがゾウになっているんでしょうか?発想がユニーク過ぎるのが作品の魅力です。
下は「卒業カッパ」。カッパの卒業式で校長先生の挨拶をカッパの生徒が神妙に聞いている・
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「卒業カッパ」
カッパ全員がマスクを付けた「マスクカッパ」という時世を反映したような作品がある中で、「カトリセンコウカッパ」なんて作品もある。
カッパがカトリセンコウになってしまう発想はアバンギャルド過ぎて愉快になる。
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「カトリセンコウカッパ」
「イヌカッパとネコカッパ」はイヌを模したカッパとネコを模したカッパが集団で並んでいる作品。
見たもの感じたものを自由に、またストレートに表現されていて、気をてらったものではなく造りたいから造っている作品群なのでしょうね。
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「イヌカッパとネコカッパ」
会場には「近江学園の作品」が展示されており、「湖北アール・ブリュット展」では毎回力作揃いの作品を観ることが出来ます。
近江学園は1946年に創立された施設で70年以上の歴史を持ち、「この子らを世の光に」をモットーに知的障がい者の療育をされてきたとされます。
近江学園で取り入れられた粘土による造形活動は滋賀県のアール・ブリュットの始まりともいえ、それは世界で日本のアール・ブリュットが評価されることに続くともいえます。
粘土作品からは心のヒダのような内側の世界のようなものを感じてしまい、アール・ブリュットの領域にとどまらないアート作品に昇華していると思います。
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近江学園の作品で特に気になったのは、次の4つの作品です。
民俗的土着の神のような印象も受けますし、七福神のような感じもします。
今回の近江学園の作品群の中では少し異質な光を放っています。
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アール・ブリュット作品には粘土作品なら無数の突起物があったり、絵なら小さなドットで色彩豊かな作品があったりしますが、次の作品は大小無数の顔がヒダのようになって集合体を形成しています。
この作品も思わず魅入ってしまった作品です。
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さてそれでは曳山博物館を後にして、街へ出て「まちなかArt Brut」へと足を運びます。
大手門通りにある「文泉堂」は江戸期より続く商家だといい、両替商から始まり現在は一風変わった書店となっています。
店の前には近江学園の作家の方の達磨のような作品が展示。
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同じ大手門通りにある「まちづくり役場」は旧商家を使った情報発信基地で、こちらには武友 義樹さんの「つぼ」が展示。
武友さんの作品は、長浜御坊表参道の大通寺前にある呉服店「いと吉」の前にも展示されていました。
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ゆう壱番街商店街の老舗町屋旅館「三谷旅館」の前には信楽学園から4匹の亀が積みあがった作品が展示。
亀だと思うが、亀でないかもしれないところも面白いところです。
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街中は観光客で溢れかえっていましたが、「アール・ブリュット展」に訪れる方は疎らで、人を気にせずゆっくり観られたのは良かったものの、少し寂しいような気もします。
来年は新型コロナが終息して「アートインナガハマ」共々開催されて、街中がアートに染まることを願っています。