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伊吹山の神(多多美比古命)が金糞岳の神(浅井姫命)と高さを競い、負けた多多美比古命が怒って浅井姫命の首を切り落とした。
それによって伊吹山は最高峰となり、一方で切り落とされた金糞岳の首は琵琶湖に落ちて竹生島になったという伝承です。
<上許曽神社の杉>
金糞岳の林道の入口となる高山キャンプ場から草野川に沿って下ったところに「上許曽神社」があり、スギの巨樹があるといいます。
草野川流域から小谷山にかけての一帯は、巨樹のある神社が多いところで、上許曽神社にも樹齢300年以上の巨樹や幹周6m相当のスギが何本か守り続けられている。
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「上許曽神社」は、桓武天皇の時代789年に「草野姫命」を主祭神として祀り、治承年間(1177~1181年)には配祀神として「大己貴命」「事代主命」「住吉大神」「埴山大神」を祀ったとされます。
「草野姫命」は、伊邪那岐命・伊邪那美命の子とされており、別名である「野椎神(のづちのかみ)」には「野の神」の意味があるといいます。
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「上許曽神社のスギ」は、拝殿の両端を守るが如く聳え立ち、境内にはこの2本以外にもスギの大木が何本か見られる。
環境省のデータベースでは、幹周が610mで樹高は38m(もしくは41m)とあり、推定樹齢は300年以上とされている。
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拝殿の右側で山側にあるスギが一番太そうではあったが、左側のスギも遜色のないサイズで、兄弟杉といった感がある。
このスギは正面から見るよりも、横から見た方が太さが実感でき、神奈備の山を背に社を構える本殿の前に立つ姿は、神の依り代とでもいったらよいのだろうか。
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木の幹はかなり高い位置まで枝打ちされているが、上部は枝が何本にも分岐して、葉の勢いも良さそうに見えます。
単純にビル10階相当の高さかと思われますので、この高さの木を支えている根は、見た目以上に力強く根を張っているのだと思います。
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拝殿の左側のスギもほぼ同サイズで、こちらも随分と背が高い。
本殿脇にもう1本スギがあるが、そちらのスギもか細いスギではなく、樹齢はそこそこのあると思われます。
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スギの上部に枝打ちされた跡はこちらの方が荒く残っているが、樹勢は何本かに分岐した枝が少し垂れるようにして伸びている。
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手水舎の横にはかつて巨樹であったろうと思われるケヤキが下部だけ残っていました。
幹に瘤があり、老木だったと思われますが、折れたと思われる部分だけが生々しいのは、折れてからの年数が短いのか。
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獣除けのネットが張られた山側にも大きなスギがあり、後方には石の祠が2つある。
祠の中に石仏が彫られていたため、これは山の神を祀っているのだろうと思って近寄ってみる。
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ちょうど地元のお爺さんが境内に掃除に来られたので聞いてみると、“あれは地蔵さんで、わしらが子供の頃からあったよ。”とのこと。
地蔵さんということは村の外からやってくる疫病を防ぐ道祖神で、祀られた場所から山の神といえるのではないでしょうか。
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<薬師如来堂のスギ>
草野川流域から林道を通って小谷山へ向かうと、須賀谷温泉の手前の田川集落に「薬師如来堂」がある。
田川の「薬師如来堂」にどんな薬師さんが安置されているのかは知らないが、湖北には高月の観音さんのように認知されている仏像以外にも、知る機会のない仏像が数多く眠っているようである。
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田川町は、小谷山の南の裾野から田園地帯へとつながる位置にあり、小谷山の山麓には小さな神社と薬師如来堂があって、集落の守り神となっているように思える。
薬師堂の境内に入ると、小ぶりな御堂の前に斜めに傾いたスギの巨木があり、注連縄が巻かれている。
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御堂の前で向き合うようにもう1本注連縄を巻かれたヒノキがあり、2本で対になっている御神木のようです。
2本の御神木の他にもスギが何本か生えていて、御堂の周囲はちょっとした森のようになっている。
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斜めに傾いているスギは幹周約5m、樹高は25mほどあるというが、この傾いた姿勢でも倒れないのは根っこの強さなのでしょう。
実際に根は地面から浮き出し、広い範囲まで伸びようとしている姿が伺えます。
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根は地中から剥き出しになって這いまわっていますが、幹から離れた部分はもう枯れています。
傾きつつもしっかりと根を張って生きる姿は、荒々しくも力強い。
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当方は元々神社仏閣が好きで、特に仏像を拝観するのがこの上なく好きでしたが、振り返るとそこにある巨樹にも興味を感じていたと思います。
その集落ごとでお祀りする姿はそれぞれ違い、独特のお祭りや信仰形態がありますが、根底に流れているものは神仏や自然に対する畏怖する心なのかもしれません。
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