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この道は地元の方のウォーキングの他にもトレイルランニング、繖山への縦走登山の方など訪れる方は様々ですが、古墳あり岩神あり岩舟あり磐座あり巨石あり花ありと低山ながら見所の多い道です。
「北向岩屋十一面観音」への参拝道の石段の横に分岐があり、「巨石の神々を訪ねる道」という看板が以前より気になっていました。
今回、猪子山へ訪れたのは「巨石の神々を訪ねる道」を歩いてみたかったためで、日課のように登って行かれる地元の方に交じって坂道を登っていきました。
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「上山天満天神社」への分岐まで登った辺りで舗装された道に飽きてきたので、下ってきたおばあさんに神社から観音さんまで登れますか?と聞いてみる。
“登れますけど、こんないい道じゃなくて急な木の階段の道ですよ。その道はこの舗装道が出来る前の参拝道で、昔はその道を登っていたんだけど...。”
“じゃ行ってみます。”ということで、「上山天満天神社」へ参拝してコース変更になりました。
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「上山天満天神社」は、御祭神に天常立命と菅原道真公を祀り、御祭神は高嶋郡比良山より岩船に乗って湖上を東に進んで繖山麓に渡って勝菅の岩屋の壇上に鎮まったと伝承されているという。
境内社は麓に祀られる「岩船神社」で、岩船神社では社殿の裏に舟の形をした巨石を祀っており、伝承と一致しています。
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境内には木段の道が2カ所あり、境内入口近くの道の方が近道だと先のおばあさんに聞いてはいたが、木が被っていて薄暗さを感じたので、陽当りのいい遠回りの道から登ることにします。
この猪子山を含む繖山の道は、ほぼ木段登りになりますが、自然の中の道を歩くのは心地よいですね。
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しかしながら木段の道は急勾配が続きます。
木段の登り方も多少とはいえ慣れてきていますので、辛くなはいものの、やはり息が切れます。
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途中で岩の門のような場所に出てくる。
山道を登っていくと時々このように道の両端に岩のある岩門のような場所がありますが、山の聖域の境の結界あるいは山門のような印象を受けます。
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そろそろ本コースに合流できるかと思い始めた頃、見晴台のような巨石のある開けた場所に出ました。
座れる場所があったのでここで給水。
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見晴台からの風景は西の湖や琵琶湖、湖西の山々までが見渡せます。
猪子山から琵琶湖を隔てて北西には「白髭神社」がありますから、湖上を舟で一直線に行くことが出来れば、近い位置にあると言えます。
近年は麦への転作が増えているのか、麦の田圃が多くなっているように感じますが、麦は刈り取られた後、何に加工されるのでしょうね。
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ここを登り切れば合流地点かと考えながら、名残り惜しみつつ最後の石段を登ります。
といいつつも、どこに合流するのか知らずに登っているのだから、いい加減なものです。
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合流したハイキングコースは猪子山山頂を通り過ぎた場所にあり、道は北向岩屋観音方向と雨宮龍神社方向に分かれています。
今回の目的は「巨石の神々を訪ねる道」でしたので、北向岩屋観音方向へ向かいます。
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さぁここからは下るだけ...と思いきや、猪子山山頂方向は再び木段の登りです。
距離はわずかですので登っていくとすぐに猪子山頂上の三角点に到着です。
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猪子山は標高268mの低山にも関わらず、さほど遠くはない場所からホトトギスの鳴き声が聞こえてきたのは意外でした。
大きな山だとトケンの鳴き声って結構遠いものなのですが、小ぶりな山ゆえに声の主は近くにいるのかもしれません。
遠回りコースで登ってきましたので、通常「北向岩屋観音」へ参拝するコースとは反対になり、まず出会うのは「玉祖神命」の磐座からです。
今でこそ道が整備されていて誰でも訪れることが出来ますが、古代の山中でこの巨石を見た人々が、巨石に宿る神を感じたであろうことは想像にかたくありません。
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もう一つの磐座である「天鈿女命」は、建物や観音堂が被って全貌が確認出来ませんが、「北向岩屋観音」堂がこの磐座の岩窟を覆うように建てられています。
中にある岩窟の奥には十一面観音菩薩石像が祀られており、いつ参拝しても堂内にはお線香の香りが立ちこめています。
この日、堂内では参拝者がずっとお経をあげておられましたので、堂内に入るのを遠慮しましたが、参拝者の多い観音堂です。
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「巨石の神々を訪ねる道」は、上からだと「北向岩屋十一面観音」の休憩所の裏の階段から降りていくことになります。
道に点在する巨石は、巨石の神々と案内されているが、信仰の対象だったのかは不明です。
最初に登場するのは「白瀧大神(屏風岩)」で、フレームには納まらないサイズの巨石はまさに屏風岩の名に相応しい。
思わず水木しげるの漫画に登場する妖怪「ぬりかべ」を思い起こしてしまいますね。
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「猪岩」は、見ようによっては猪(四つん這いの動物)に見えますが、果たして如何にといったところ。
巨石は、形のイメージから動物の名前や顔に見立てられていますので、後から岩の名前が付けられたのかもしれません。
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「天児屋命(モアイ神)」の天児屋命は、天岩戸にこもった天照大神を引き出すために、祝詞を奏した神とされており、中臣氏及び藤原氏の祖神とされている神。
しかしながら「モアイ神」という名称はないだろうと思いつつも、正面から見るとモアイ像の顔に見えてくるのが面白い。
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「巨石の神々を訪ねる道」は「北向岩屋十一面観音」の裏参道にあたる位置にありますが、大多数の方は表参道の石段を登られているように思います。
また猪子山~繖山の縦走をされる方が登る道ともずれているため、巨石に興味のない方はあまり通られない道かと思います。
道路が出来る前の参道がどうなっていたのか?参詣道が通じていたのか?など興味深いですね。
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「石凝姥命(母ゾウ神)」の石凝姥命は、、天照大神が天の岩屋戸に隠れた時に鏡を作った神とされている神で、この神も天の岩屋戸神話に関係する神です。
母ゾウ神とも名付けられていて、確かにゾウを正面から見た時の姿にも言われてみればゾウにも見えます。
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「母ゾウ神」と対になるのは、「子ゾウ岩」。
こちらの岩もゾウがこっちへ向かって歩いてくるような姿をしています。
自然の巨石を信仰の対象として祀るといった感覚よりは、動物の姿に例える柔らかな見立てとなっているのがこの道の特徴なのでしょう。
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「巨石の神々を訪ねる道」の最後は「太玉命(人面神)」でした。
太玉命は、玉を用いて祭りを行う司祭者とされ、天照大神の岩戸隠れの際に、勾玉や鏡や和幣などを取り持って祭りを行ったとされます。
人面に見えるかどうかは人それぞれでしょうね。
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