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“男のためのガーデニング”改め

第38回 観音の里ふるさとまつり2/3~山門「和蔵堂」「雨下がりの滝」「山門の野神さん」~

2022-10-21 14:50:00 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 「観音の里ふるさとまつり」はコロナ渦にあって2年間御開帳を見送られ、3年ぶりの開催を待ちわびていた仏像ファンの方が大勢訪れてこられていました。
周遊バスツアーの方や遠方からの観光バス、他府県ナンバーも多い自家用車の方。電車で訪れられた方はレンタサイクルを借りられたり、徒歩で歩いて移動される方など様々。

御開帳される観音堂は1日では到底回り切れる数ではなく、参拝する観音堂を計画しておかないと巡りきれません。
当方も過去何年かの間、毎年何ヶ所づつかの観音堂を巡ってきてそろそろ回り切れるかといった状態で、一通りの観音堂の参拝を終えたら好きな観音さんをリピートして巡りたいと思っております。



もっともどうしても拝観したい観音堂があれば事前予約して拝観することは可能ではありますが、予約拝観はなかなか敷居が高いため、一斉開帳や特別開帳の時に参拝をしています。
ずっと訪れたかった観音堂に西浅井町山門の「和蔵寺」があり、今年は観音の里ふるさとまつりに参加しておられるので拝観に訪れました。



「和蔵寺」の観音堂は説明をされている住職の方とせいぜい3名くらいの参拝者が入ったら堂内に入れなくなるような小さな御堂です。
到着した時は先客の方が居られたので隣接する真宗の「善隆寺」の境内を散策してみます。
湖北地方は浄土真宗の信仰が盛んな土地で真宗寺院が多いのですが、真宗寺院の檀家でありながら観音堂をお守りし、集落の神さま(神社)もお祀りされていることが多々あります。



「善隆寺」はかつては天台宗寺院で現在は浄土真宗佛光寺派の寺院となっており、「和蔵堂」は和蔵講を持ってお守りされているとのことです。
湖北では石仏が集められている場所をよく見かけますが、善隆寺の石仏は田圃の耕地整備をした時に掘り出されたということでしたので、昔は田圃道の辻に石仏を祀られていたのでしょう。



「和蔵堂」に祀られているのは「十一面観音立像」と「仏頭」で共に平安時代末期の作とされ、国の重要文化財に指定されています。
600年前は隣村の庄という村の御堂に祀られていたが、寺の住職が堂守に仏さまのお守りをまかせて山門に移住してきたところ、住職と堂守に夢のお告げがあり山門に移したと伝わるそうです。



「十一面観音立像」は像高約1m、サクラ材の一本造の仏像で、寄木部はなく内刳もないという。
両手は長くやや太い腕となっており、表情は凛々しい感じを受けます。
観音さんの長い腕は少しでも遠くの人を助けたいという気持ちのあらわれとされています。



「和蔵堂」への参拝者は、井上靖の「星と祭」の復刊に伴って急増していたものの、コロナ渦によって参拝者は激減したとのこと。
コロナが完全に静まれば、これからまた参拝に訪れる人が多くなるのではないでしょうか。




観音堂は平地にあるものも多いですが、山麓に祀られている観音堂にはまた別の味わいがある。
湖北では数多くの仏像が静かな山村の小さな観音堂でひっそりと守られていることも多くの人の心を魅了するのかと思います。



「十一面観音立像」の隣には阿弥陀仏の「仏頭」が祀られてあり、仏頭は約60cmと大きなものです。
当初は躰があったのでしょうか?と聞いてみると、始めから仏頭のみだったという話もあるが実際のところは分からないとのことでした。



この大きさで立像だったらかなり大きな仏像だったのでしょうねと聞いてみると、躰があったとしてもおそらくは半丈六の座像だったのではということでした。
もしもこの仏頭が半丈六の座像のお顔で躰が残っていたら湖北には他に例のない仏像になっていたと思います。



お顔の表情は実に柔和でふくよかしくも優美な表情をされています。
切れ長の目も特徴的で、あらゆる行いを許容しつつも何もかもお見通しにされているような気持になります。



御堂の中に滝の写真がありましたので、これはどこの滝ですかと聞くと、この滝は「雨下りの滝(あめさがり)」の滝といって近くにある滝ですと教えて頂きました。
場所を教えて頂いて和蔵堂を出た後、さっそく滝へと向かいます。



滝は落差10mとそれほど大きな滝ではないものの水量が多く、水音を響かせながら落ちていました。
好天続きの頃でしたからこの水量の多さは不思議に感じるほどで、山に含まれている水の豊富さを感じさせてくれます。



山門の集落の外れには「野神さん」のような祠と木がありました。
墓地の横にお地蔵さんが祀ってあるだけかもしれませんが、場所といい雰囲気といい野神さんのように受け取ってしまいます。



木はケヤキでしょうか?太く盛り上がった根っこが横に伸びてきています。
幹も痛みが鳴く生き生きとしており樹勢が良く、将来は見事な巨樹に育ちそうな木です。





ここにも石仏が祀られていて、この石仏は屋根付きの囲いの中です。
石仏の前にはそれぞれ湯飲み茶わんが置いてあり、ペットボトルの水が用意してあります。



この祠と巨樹のすぐそばに面白いものを見つけました。
三角点なんですが、三角点って山の頂上付近にあるものだと思っていましたが、平地にも三角点があるのですね。



さて随分と大回りした「観音の里ふるさとまつり」でしたが、最後は高月町内でまだ参拝したことのない観音堂へ向かいます。
お腹が空いたので「道の駅塩津海道あぢかまの里」で名物の鴨そばを頂くことにします。





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