hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

林家正蔵・春風亭小朝 二人会へ

2007年05月04日 | 趣味

子供のころからの落語好きである。ラジオから聞こえる落語や講談を食い入るように聞いたものである。ラジオのチャンネルが増えると聞いたとき、小父さんに、「これからは、落語だけいつも聞けるようになるの?」と聞いたものだった。小父さんの答えは、「まあ、そうだな」だった。

一番のお気に入りは味のある志ん生だったが、「・・・水平線のかなたまで、コチャいとやせぬ」のただただ面白い痴楽つづり方教室も大好きだった。三代目円歌の「山のあなたの空遠く・・・」と見事な浪曲入り落語もいまだに忘れられない。
お祭りのとき、近くのお寺に林家三平が来たときは、もちろん見に行った。自分でも本当に嬉しくてたまらないといった様子で、エネルギッシュに話す三平さんに楽しい思い出をもらった。
最近では、横浜のにぎわい座にときどき行くくらいで生の落語にご無沙汰しがちだった。

林家正蔵と、義弟になる春風亭小朝の二人会のパンフレットを見つけ、予約開始の日をじっと待った。その日は旅行先だったが、10時ちょうどに何度も電話したが話中で断念した。その日の夕方、翌日と、他の窓口にも電話したが売り切れ。自宅に戻ってから念のために横浜駅にあるセンターに電話すると残券があるというので、さっそく購入した。

公会堂は満員の盛況。席は前から5列目くらいの最高の位置。我々の前から舞台との間には折畳み椅子を並べてある。年配の人、とくにおばさんが多く、若い人がいないのがさびしい。
しかし、窓の中を覗くようなTVの落語と違い、前の方の席で舞台と一体になって、会場全体の笑い声に囲まれて聞く落語はいっそう楽しい。

前座は林家たこ平という26歳の若い人だった。演題は忘れたが、店に訪ねて来た人の長口上をおかみさんが覚えきれず、帰ってきた旦那さんにとんちんかんな話をするという何回も聞いたことある噺だ。長口上を早口で話し、いかにも勉強中というまだ入門2年目の話し方だった。終わると自分で座布団を裏返し、看板をめくってから退場した。

春風亭小朝さんは、これまで、何事もわかったような生意気な話し方があまり好きでなかったが、本当に上手い。噺は居酒屋の主人とお客のやりとりだが、声も大きく、聞き取りやすいし、二人の声音もはっきり区別できる。身振り、表情もあざやかだ。駄洒落、時事ネタで場内大笑い。見事でした。
しかし、終わってみて、どんなこと話したのか覚えていることは少ない。もちろん、それで良いのだが、覚えているのは、まくらで話した最近の寄席の客は変な人がいるとのまくらの話し。寄席の一番前の席でカップラーメンを食べていた人や、おかしいところへくると、自分では笑わずに、笑い袋を押してケラケラ音を出す人の話だった。

入門6年目で二つ目の林家たけ平(多分)が出てきた。別々に自宅を夜締め出された男女が早とちりする叔父さんの家に行き泊めてもらう。一つ布団に寝させられて、なるべく離れて寝ていたが、雷で思わず、・・・。危うい、ぎりぎりのところで、「お後がよろしいようで」と終わる話だ。前座のたこ平さんとはだいぶ違う。

取りはもちろん、林家正蔵。まくらは、三平の最後のときの話や、えびな家の話しで客をひきつける。例の税務署の話できっと笑いをとるだろうと思っていたが、「十分反省しておりますので」と話の途中にはさんだだけだった。
嫉妬深い奥さんが小僧に、おめかけさんに通う旦那の後をつけさせる噺だった。もちろん面白いのだが、小朝とはだいぶ差がある。正蔵らしくなる、あるいは新しい正蔵をつくるのにはまだ時間がかかるような気がした。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする