hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

飛蚊症(ひぶんしょう)

2007年05月15日 | 雑学
私は、若いときから、明るい壁などをじっと見ていると、幾つかの短いひものようなものが、目の前に浮ぶことがありました。目を動かすと、このひものような物はすこし遅れ気味に一緒に動き、そこで視線を止めると、もとの位置にゆっくり戻っていきます。
なんだか気持ち悪く、調べてみたことがあります。その結果、これは飛蚊症(ひぶんしょう)で、特に問題ない現象とわかりそのままにしていました。

最近暇で、ゴロゴロしていることが多く、我が家の白い天井を眺めていると、この飛蚊症が実感され、今一度、調べてみました。
(以下、参天製薬(株)のパンフレット「飛蚊症」を参考にしました)

「飛蚊症」とは?
明るいところや白い壁、青空などを見つめたとき、目の前に虫や、糸くずなどの浮遊物が飛んでいるように見えることがあります。視線を動かしてもなお一緒に移動してくるように感じられ、まばたきをしても目をこすっても消えませんが、暗いところでは気にならなくなります。

何が見えているのか?
眼球の大部分には硝子体(しょうしたい)と呼ばれるゼリー状の透明な物質が詰まっています。角膜、水晶体を通して入ってきた光はこの硝子体を通過して網膜に到達します。
この硝子体に濁りが生じると、明るいところを見たときに、その濁りの影が網膜に映り、眼球の動きと共に揺れ動き、あたかも虫や糸くずなどの浮遊物が飛んでいるように見えます。

以前から浮遊物が見えるか?
母体内で胎児の眼球がつくられる途中では、硝子体に血管が通っていますが、眼球が完成すると普通はこの血管はなくなります。しかし、血管のなごりが硝子体に残存する場合があり、これが濁りとなって飛蚊症の症状となることがあります。
このタイプの飛蚊症は生理的なもので、症状が進まないかぎり問題ありません。
(赤ん坊時代のなごりかと思うと、この「しみ」みたいなものも、いとおしくなります)

老化現象では?
歳をとると硝子体はゼリー状から液状に変化し、硝子体は次第に収縮して網膜からはがれます(硝子体剥離)。これにより飛蚊症が起こることがありますが、生理的現象で問題ありません。
若い人でも強度の近視の場合は、この硝子体剥離が早期に起こりやすく飛蚊症になります。
(目の中のガラスまで萎縮して網膜から剥離すると聞くと、「加齢」って、いやになりますね。)

症状が急に変化したら?
症状が急に変化したら、網膜裂孔・網膜剥離、硝子対出血、ぶどう膜炎などが疑われます。これらの病気はいずれも早期治療が重要です。直ちに眼科医に相談してください。

蛇足ですが、「蚊」で思い出したのは、
世の中に蚊(か)ほどうるさきものはなし、ぶんぶ(文武)と言うて夜も寝られず
(読み人しらずor太田蜀山人)(松平定信の寛政改革への風刺)

「寝られず」で思い出したのは、
太平の眠りをさます上喜撰、たった四はいで夜もねられず
(上喜撰は、お茶の銘柄ですが、ペリー提督のひきいる米国艦隊(蒸気船)が浦賀に現われたとき騒動を風刺したもの。あわてていたのは幕府上層部だけで、庶民はえばり散らしていた武士に対して冷ややかで、幾分お祭り気分だったのでしょうか)


コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする