私は子供の頃から漫画はあまり読まなかった。読んだのは、手塚治、白土三平、長谷川町子、サトウサンペイと幾つかに限られている。最近の、といっても10年ほど前だが、ジャンプ黄金時代の作品で、子供が持っていて初めの方だけちょっとかじったのは、幽遊白書、スラムダンクなどわずかだ。「漫画読む暇があれば、小説を読むさと」馬鹿にしていた。
しかし、最近の漫画、アニメの勢いはすごい。才能のある人がどんどん集まり、オリジナリティある作品が次々と登場しているようだ。今や、「まんが」は海外進出する日本文化の最先端になっている。
息子から話題になっているとして「デスノートDEATH NOTE」を借りて読んだ。原作/大場つぐみ、漫画/小畑健で、週刊少年ジャンプに連載されたもので、集英社発行の単行本、ジャンプ・コミックス 全12巻で読んだ。単行本は初版100万部で、12巻までの累計発行部数は2,530万部を突破したそうだ。
小畑健は「ヒカルの碁」などのイラストを書いている人気漫画家の一人だが、原作者の大場つぐみは、本作品以外に実績がなく、詳細なプロフィールも不明である。「大バツ組み」のモジリで有名作家だとか、いろいろうわさがある。
ノートに名前を書かれた人は死んでしまうという死神のノート「デスノート」を偶然手に入れ、それを使って犯罪者を次々と処刑していく主人公の夜神月(やがみ ライト)と、ライトを追う名探偵との闘いを描いている。
これだけの話では1巻で終わってしまうが、デスノートに名前を書かれた人間は死ぬが、その人の顔が分かっていないとだめとか、死神界のルールなどがある。これらのルールなど利用して、知能が異常に高い二人の裏の裏を読む騙しあいが面白い。さすがに後半の数巻は同じようなパターンになり、飽きてしまい、アメリカ大統領の登場など話が大きくなると面白くなくなり、12巻読むのに、休み休み、三日かかった。
設定や、キャラクタの斬新さで、1,2巻は面白く、一気に読める漫画が結構ある。しかし、出版社の意向だろうが、人気が出た漫画は、シリーズをどんどん引き伸ばす傾向にある。また、TVアニメ、実写映画など波状メディアで儲けつくすケースも多い。現在では、漫画家が才能を枯渇させずに深みを増していくのは大変困難なようだ。